paranoia kiss
    

タバコに火をつけようとする仕草で、
その仕事をしている、していた。とすぐに見抜かれる。

君は僕が贈ったライターを使わない。
僕の父が贈ったそれでさえ。
面倒なのか。

ただ、君がその場所のライターを使うのが、
非常に気になる。
いや、正直気に食わないんだ。

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いつか、酔っ払って電話したときに、
彼はライターを未だに使っているといった。
音を聞かせてくれた。

あたしがとても気に入っていて、
気に入った人には持ってて欲しいという
理由から無理やり持たせたようなもの。

名前を刻んでくれる店は当時は少なかったんだ。

君に贈ったそれは、
当時のあたしが持っている最大の札を使った。
謙虚にイニシャルだけ入れてもらって。

記念の贈り物のささやかなお礼となるように。
今では、酸化して色が変わったままタンスの上。

オトスノガコワイ。

そういって、100円ライターと持ち歩いてくれた人もいるのに。

あたしの心は届かないまま
タンスの上にずっとある。
マイナスの言葉を聞きたくなくて、
持ってて欲しい。と言い出せないでいる。



2006年11月29日(水)



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