paranoia kiss
    

非常に頭が痛い。のに頭痛薬はない。
いつの間に、君は飲んでしまったんだ。
なくなったら、教えてくれないと。
肝心なときに困ってしまうよ。

君はいつも、僕が気づくと思ってるんだね。
くだらないことは、気づくけど、
肝心なことは見落とすんだ、僕。

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彼もまたお客さんの一人だった。
同じように、友達のような、
周りからみたら恋人のような。

ただ違ったのは、お互いに恋人がいても、
会い続けたということ。
恋人はみな、仕事を理解してくれる人が多かった。
つきあい。という名目で出かけることが多かった。

年に1度催される鍋。
毎年、同じ日にたった二人だけで。
それ以上でもそれ以下でもなく。

店を辞めてからも、君と過ごすようになっても
変わっていなかった。
と、思っていたのはあたしだけ。

オカネヲカシテホシイ。

ある日、そう告げられた。
たいした金額じゃないし、いいか。くらいで。
きっちり期限付きで、返してもらうことを確約して。

なのに。
やっぱり。
心ではそう思った。
あたしは、落ちぶれてしまったんだ。

いくら年月を重ねても甘えちゃいけない。

2006年11月28日(火)



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