paranoia kiss
    

僕には、空白の2年間がある。
本来ならば、しなきゃいけないこともあったし、
社会的身分も保証されていたけど、
やっぱりできなかった。

心此処に在らず。

その空白の2年を自分のしたいことばかりを
貪欲にこなし、
恋愛、飲酒、喫煙に勤しんだ。

もう、恋はしないと思ったから、
恋愛というよりもむしろ、
誰かそばにいてくれる人を欲しただけだった。

その中でも得るものは多かったけど。

そうして、今僕がこうやって文字を書いたり、
日常を送れるようになったのは、
その空白の2年で知り合った人の影響が大きい。

嘘みたいにあっさりと君に属すことを決めてしまって、
自分でも簡単に事が進んでいくことに驚いた。

その空白の2年のおかげで、
いざというときに力を発揮できる。
こうやって、坊さんが走り回る季節になって、
僕も愛車の自転車で走り回る。
疲労は、心地よい快感で。

まだ2年分の余力は余っているようだ。

ゆっくりしても、急いでも何も変わらない。
今まで突っ走ってきて、
周りの景色さえ楽しんでなかった。

そんな風に振り返ってみる満月の夜。


2006年12月05日(火)



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