paranoia kiss
    

2歳で僕を置いて出てゆくことになってしまった
実母と再会したとき、
僕の昼と夜のギャップに彼女は大層驚いた。
僕にしたら、至って普通。
というよりも、好きなことを選んだら
そうなってしまっていた。

彼女は僕の身体を心配したけれど、
笑ってやり過ごした。

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僕はその夜の世界にいた頃、
某グループのボーカルの髪型そっくりで。
意識したわけでないけど、
みんなが似合うというから、
ずーっとその髪型だった。

君はその頃の僕を知らない。

そのことを話すと似合いそうだけど、
想像がつかない。と。

また機会があれば、変えてみるよ。
突然に。

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僕が2度袖を通した服を
彼女が着ることになった。
会った事もないけど、
君の会社の上司に貸すことになった。

その頃の僕は今よりも大層痩せて、
いややつれていて。
彼女にサイズが大きかったら、僕は大層凹む。

寒い季節だから、
身体を大事にして。
おなかの中の小さな命と一緒に、
晴れの日を迎える準備をして欲しい。

僕の足は本当に大きいから、
靴は貸せないよ。
あ、手も大きいから手袋もムリだ。

ベールは愛する彼の
お母様に縫って貰って。

上司である彼は、
順序が。と気にしていたけど、
すっかりおじいちゃんの顔で。
そんな幸せな表情を見てると、
順序なんてどうでもいいさ。


2006年12月07日(木)



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