paranoia kiss
    

久しぶりに読書に没頭。
邪魔をされながらだけど。

音がないほうがいいと昔から
君は知っているのに、
鬱陶しいテレビの音。

僕の表情に気づき、
ヴォリュームを下げた君。

著者と自分は似ていると思った。
また、贈ってくれた彼女も著者に似ているんだろう。

ということは、彼女と僕もどこか似ているのかもしれない。

未知の分野だったけれど、
抵抗なくむしろ、その分野に興味を持つ。

祖母の田舎で見かけた
そして、僕が夏休みの自由課題に選んだ歌と
再びその本で出会うことになる。

小学生の僕には大人の世界なんて、
ご飯粒ほどもわからなくて。
今の僕には、その頃から
想像もできないくらいのことを経験し、
そして今に繋がっている。

年内にはお墓参りに行こう。
そう改めて気づかせてくれた
贈り主の彼女に心から感謝。

---
君は仕事がうまくいってないようだ。
雰囲気で察する。
僕も日常が機能しない日々。

協力するから。という一言とともに、
君が追い詰められているのがわかる表情。

部屋には電気がついていて、
ごはんがあって。
それだけで充分といった、
僕の父の言葉が今更浮かんできた。

人間は果てしなく欲張りで、
ないものねだりで。

幼い頃から悩みなんて山のようにあって、
それを乗り越えた、あるいは
うまく昇華してきたのに。
あの頃の悩みなど、
大人になってしまえばちっぽけなもので。

それでも、年相応に
深くなったり、質が変わって、
現れては消えてゆく。

今だけ、今日だけ。
いつかきっと笑い話にできる日がくる。

そうやって、君と僕は
時間が過ぎるのを待った。
時間を過ごしてきた。

傲慢さを隅に追いやり、
出合った頃のように、
少しだけ謙虚に過ごしてみる。



2006年12月12日(火)



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