paranoia kiss
    

やはりこの店は父と一緒じゃないとダメだと思った。
法律でお酒を飲んではいけない年齢から、
もう何度来たことだろう。

一度、当時の恋人と来たことはあるけれど、
向かいがわにいるのが父でなくて、
違う人だということに物凄く違和感を感じた。

年に一度しか来ないけど。
いつも開店を待って、同じ場所に座る。
そして、同じものしか注文しない。

鱧を食べて、ようやく夏を迎える。
気づけば10年以上そうやって過ごしてきた。

いつまでこうやって、
父と過ごす時間を持つことができるのか。
僅かな時間だけ親孝行しているつもりになっている。


2007年07月17日(火)



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