2025年09月01日(月) |
Gとの遭遇(職場編) |
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オレはGが苦手である。このように書くと中にはオレが読売ジャイアンツを嫌いなことに結びつけて勘違いする方がいるかも知れない。ここでオレが書くGというのは、あのみんなに嫌われている虫、いわゆる「ゴキブリ」のことである。その文字を見るだけで不快になる方のためにあえて「G」と書いてあるわけで、巨人軍を貶める目的は全くないのである。いくらオレがアンチ巨人であっても今回はそういう話ではない。
職場でトイレに行こうとして、男子トイレの前にある扉のところでオレは足下に黒い物体を発見した。よく見るとそれはGだった。逃がすわけにはいかない。オレは踏みつけて殺害しようとしたが、オレが踏む速度よりもすばやくGは広い場所に逃亡した。そこには同僚が二人居たのでオレは「Gです」と叫んだ。何度かオレは踏んづけることを試みたが、Gの素早さには敵わない。Gはさらに逃亡した。
その同僚のうちの若手の一人が「殺虫剤ある場所知ってるから取ってきます」とその場を離れた。オレがGを踏み殺そうとしているその場所はホールの入り口であり、もうすぐ大量の高校生がやってくる予定である。ただ幸いなことにそこには手指消毒用のアルコールスプレーが準備されていた。オレはそのアルコールスプレーを試しにGに掛けてみた。そのスプレーはオレが期待した霧状の噴霧器ではなく、ゲル状の液体がどろりと出てくるやつだったが、大量に噴射したそのゲルはGを直撃し、Gはヨタヨタと身体にそのゲルを浴びながら逃げた。
逃げていくGをオレは引き続き観察していたが、かなり動きが鈍くなり、やがて仰向けになって足をバタバタさせるようになった。そこに殺虫剤を持った同僚が到着したが、もはやGは断末魔の状態だった。「もう死ぬんじゃないですか」とオレが言ったので、その同僚は殺虫剤を使わずに返しに行った。ヒクヒクと動いてるGにとどめを刺すこともなく、オレもその場を後にした。その後、Gがどんな運命をたどったのかオレは知らない。
さて、Gは大量の消毒用のアルコールを浴びれば死ぬのだろうか。そもそも消毒用アルコールの主成分であるエチルアルコール(エタノール)は、昆虫に対して強い毒性があるのだろうか。同様のことを人間がされた場合、つまり大量のエタノールをぶっかけられた場合人はダメージを受けるのだろうか。
酒豪の人は「浴びるように酒を飲む」と称されることが多い。しかし、酒に含まれるエタノールにそのような毒性があるのなら、浴びたら死ぬわけである。人が酒の風呂に入ったらどうなるのか。「酒池肉林」という言葉があるが、池に酒を満たしてもそこで人が泳ぐことは危険ではないのか。あるいは昆虫だから死ぬわけで人体には何のダメージもないということなのだろうか。そのあたり酒好きの人に是非とも訊きたいのである。
エタノールだけで昆虫が殺せるのなら、揮発性も強いこの液体は殺虫剤に最適であるとオレは思う。市販のさまざまな殺虫剤は食品にかけるわけにはいかないが、エタノールなら食べてもそんなに害がないような気がするのである。
そういうくだらないことをオレはあれこれ考えながら、家でGと遭遇して手元に殺虫剤がなかったときは、焼酎やワインが代用になるのだろうかとふと思ったのである。そんなもったいない使い方をする馬鹿はいないだろうと思うが。
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