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恋する研究所*
りう
MAIL

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2005年10月07日(金)
後悔してないよ。





↑予告ポチリ



この5ヶ月もの間、一切メール・電話もなく、私がしても返ってはこなかった。

きっかけは、友達に
「別れたのはまだ最近のことだけど、それでもずっと想ってるなら一度ぶつかってってみたら?」
といわれたこと。

彼に会いたい、別れたのを後悔してる、って初めて人に言って、
だけど最後に会った日のことや最後の電話での態度を見て、
もう嫌われたんだって、私のことはどうでもいいんだって思われてると想ってたから、
「ぶつかってみなよ」
って言われても、素直に行動に結びつかなかった。

最初は彼の家に押しかけてって話をするって言われたんだけど、
やっぱり最後の時に押しかけてって態度が冷たかったから、
あんなどうしようもない思いはしたくなくって、
メールを送ることにした。

それでも、「どうしよう。返ってこなかったら」って不安を言いながら、
話があるから時間作れない? ってメールを作って、
それでも送信ボタンが押せなかった。

何か得るものがある、と彼女(友達)は言った。
このままでいるより、体当たりで行った方が絶対得られる、と。
望む結果になったらそれで良いし、ならなくてもちゃんとぶつかれたって経験になるから、と。

その言葉に後押しされて、帰り道にメールを送った。
きっと、返事はないと、拒絶されるのだろうと思いながら。

それまでのメールと違って、会うことを求めるメールを送ったのは離れてから初めて。

私は今まで好きだった人にちゃんとぶつかった経験はない。
こうくんにしても、サワさんにしても、もっと前の人にしても。
だからこれが初めての経験で。
何が起こるかわからない不安と、自分のネガティブな思考が拍車をかけて、
どうなってしまうんだろうって思いながら、電車に乗り込んだ。

ケータイの着信。
見覚えのある番号。
一目で彼だって分かった。
今まで何もなかったから、一瞬見間違いかと疑うほど。

一度電車を降りてから、電話をかけ直した。
どきどきもしたけど、凄くナーバスになってて。
出るのか、出ないのか。
何度目かのコールで彼は出てくれた。
何から言っていいのか分からず、とりあえず「さっき電話くれたのに出られなくてごめんね」と。

「元気?」って二人同時に言ってた。

他愛もない話をして、突然彼から、

「話って何だよ」

それまでと違う、強い口調にどうしていいか分からなくなる。

「電話じゃ話し辛いから、会った時にね」

はぐらかしたかった。

「いいから。話って、何」

言えよ、って、強く言われて、ますます困惑した。

「言っとくけど、俺、仕事変わったから前より忙しいし、時間ない」

仕事変えた? 何で変えたの?
そう思ったけど、深くは聞かなかった。

きっと、会う必要もないと思ってるんだと思う。

それでも言いたがらない私に、彼は既に分かっていたようで、

「そういう話ならしないから。俺は困る」

迷惑そうに冷たく、きっぱりと言い放った。
けど、そこで納得したフリしたら、消化不良のままになるし、
私の気持ちを言って納得したかった。
だけど、それを遮るかのように、冷たい言葉が次々と彼の口から出てきて。

「お前さ、俺が付き合いたいと思ってて、それを言わないとでも思ってんの?」

「俺はちゃんとそう思ったら、言うし」

つまり、今までそう言われてないってことは、
私と付き合いたいと思ってないってこと…?
私のことはもうどうでもよくって、好きじゃないってこと?

そんなこと聞きたいけど、聞けることじゃなくて、何も言えなくなってしまう。

「俺は変わってないよ。変わったと思ったかもしれないけど」

「変わったなんて思ってないよ」

「じゃあ話は早いだろ。困るから」

「だけどね。私の話も聞いて? やっぱり、戻りたい」

「そういうの、ホントに困る」

困らせたいわけじゃないのに、私の気持ちは彼を困らせてしまう…。
どうしよう。

「じゃあ、私とバイバイしてすっきりしたの?」

「何でそういうこと言わせんだよ。聞いてどうすんの?」

まるで、悪趣味、と悪態をつかれたような。
無理に聞くことは出来ないから、何も言えなくなってしまった。

「今は仕事に専念したいんだよ。俺の環境もあるし、お前とはちゃんと付き合えないって」

「…そっか」

「お互い疲れるような恋愛はもういいし」

やっぱり、私は疲れさせるしか出来なかったんだ…。

「本当に仕事忙しいし、自分の年齢も考えてるし、男として一人前になりたいから」

何度も、仕事と自分を強調する彼に、私は気持ちがもうそっちにいってしまってるんだって感じた。
けど、私はまだ肝心なことを全然言えてないって思って。

「だけど、私は好きだよ。ずっと忘れてないもん」

「ありがとう。それは嬉しいよ、嬉しいけど…」

「私とは付き合えない、でしょ?」

「だから、誰とも付き合う気はないから。りうも含めて」

…久し振りに人に名前で、呼び捨てで呼ばれて、覚えてくれてたのに安心したし、彼は特別な存在だったんだって改めて思った。

私とも、他の子とも付き合う気がない。

「りうが嫌いって言ってるんじゃないよ。ただ、本当に俺はまだまだだから、結婚したいとか言ってるうちはまだまだだし」

「結婚、考えてないの?」

「だから、そんなこと言ってるようじゃ全然だめなんだよ」

「結婚するっていうから別れたのに…」

「そんなこと言うなよ」

「だって…そうだもん」

「俺は仕事一生懸命やるから、お前は仕事はふつうにして、他のこと一生懸命やって。そうすれば、絶対良い人と出会えるから」

何で? 何でそういうこと言うの?
理解出来ない。納得いかない。

「良い人なんていないよ」

弱音を吐く私に、彼は強く、






↑その時の大きな、重い彼の言葉。

そう断言した。

「俺も頑張るけど、お前は俺以上に頑張れよ」

「…はい」

もう、そこまで言われてしまえば、呑むしかなかった。
きっと、電話をかけてきてくれたこと自体凄いことで、
さっきまで冷たくあしらってたけど、
ここにきてこんなに勇気付けてくれて、
彼のこういう優しさが心に染みて、
私はまだ好きだけど、
彼はもう恋愛したい心はないんだなって思った。

「まぁ。時間が合えば、また映画行ったりしようか、時間が合えばな」

そんなことはまずないって分かってる。
だからこれも全部彼の優しさ。

「だって休みとか合わないでしょ? 無理じゃん」

って可愛くないこと言う私に、

「別に一日一緒にいることないじゃん。メシだけでもいいし」

「え。でも、夜遅くまで仕事してるんでしょ?」

「そうだよ。だから、俺が休みの日にとかでもいいじゃん」

「ああ、うん」

「別に無理に俺に合わせなくていいからな」

「…分かった」


その『素敵な』誘いは、私にくれた最後の優しさってことにしとく。
今は、それだけで十分。

「また時間とれたら連絡するよ」

まさかそんなことを言ってくれるとは思わなかったから、
ごはん行くって言ったこともそうだけど、びっくりして、
それと同時にこの場を収める嘘にも聞えて。

「暇つぶしにでも電話して」

「お前…そう自分を安売りするなよ」

「安売りしてないよ」

「また連絡するから」

「うん」


結局、ハルくんとはどうしても戻れないって分かった。
ここには上手く書けないけど、彼が私にくれた言葉はここに書いただけじゃなくて。
そこからも、彼の心はもう、自分と仕事のことにしか向いてないって分かった。
本当に「付き合おう」って言われても、余裕がないんだと思う。
とにかく、自分のこの先を考えて不安だから、固めたいんだと。
そう感じ取れた。
だから、今の彼に恋愛は目に入ってない。
一つのことを思うと、頑として譲らない性格だから、
きっともう私が何か言っても同じことの繰り返しだろうと思う。

それに、また付き合ったとしても、終わりが見えてるから。
私には彼との将来は想像出来ないし、お互いの境遇を考えても、
それは難しいって思う。
だから、私は、ズルイだけ。
好きだけど。

これからゆっくり、彼の言ったことを咀嚼していくつもり。

最後にたくさん励ましてもらって、感謝してる。
だから好きで、忘れられないんだけど(笑)。
まだまだ私はもがいて、真っ暗な道だか水の中を進んでいるのか、
後退してるのか、逸れてるのか、分からないまま、ただただ、
必死に両手両足を動かしていくんだと思う。


私は、理想の王子様を待ってるタイプじゃなくて、
あの人? この人? っていろんな人と付き合いながら探したいタイプだから、
これからも別の男の人がこの日記に出てくると思う。
暫くは、ハルくんのことで遊びまくるだろうし…。

それで、何年先になるか分からないけど、
みんなのいう良い人と出会いたい。

ハルくんを長期戦で待つテもあるけど、きっとそれは私が我慢ならなくなるから。
忘れる、というか心にきちんとしまえるまでに時間はかかるけど、
次にいけるように、ハルくんとした以上の恋愛を目指して。


また、どうしても忘れられない! って自暴自棄になるかもしれないけどね!

すぐに気持ちが冷めるわけじゃないから、だけどいつかはって思ってます。

今回メールしたこと、電話で話したこと、後悔してません。
だって、そうしなかったら、今の彼の気持ちも全く分からないままでいたから。
それがなければ、励ましてももらえなかったし、優しさももらえなかった。
また連絡するなんて、言われることもなかった。

だから、望みどおりにいかなかったけど、これで十分。


エンピツ