学生時代、死んでもいいと思いながら危険な国に旅行に出たこと。 30代半ば頃にとてつもない人生の転機が訪れ、もしかしたら死ぬかもしれないと占い師に言われたこと。 死について考えたこと。 しょっちゅう死にたいと思うこと。
私や友達の前では、面白おかしくて、真面目で、いつでも明るい太陽のような人。
そんなことを考えてたなんて、知らなかった。
彼は資格の勉強をしながら、私はお布団に横になりながら同じテレビを見ていた。 何となく、話題が「良い人ほど早死にする」という方向にいって、彼は「意外と俺も早死にかも」なんて笑ってた。 今までに話した彼の死に関する話が一気に頭に浮かび上がった。 そのうち、テレビ番組に病気のおじいちゃんが出てきた。 苦しそうに辛そうに横になっているその人を見て、なんとなく頭の中になくなったおじいちゃんを思い浮かべ。 気がついたら、涙がぽろぽろ出てきて。 ここで泣いたら彼の勉強の邪魔になるなーと思いながらも、頭が「彼が死ぬ事」でいっぱいになってた。 止まんなくなって、わんわん泣いた。 様子がおかしいと思った彼が「どうした?」って傍によってきてくれても、 「な、何かまずいことした?」って狼狽えても、 泣いて泣いて、何も言えなかった。 頭を撫でてくれて、そしたら落ち着きを取り戻し始めて、 ようやく喉を振り絞るようにして声が出た。 「死んじゃヤだ」 もう涙と鼻水で顔がぐしゃぐしゃで、最低な顔だったと思う。 彼は、最初何を言われたのか分からなかったのかな。 顔に?が書いてあったみたい。 「死なないで」 涙ぐみながら、もう一度伝えて。 本当に、心から、そう思って。 馬鹿にされるかと思ったけど、笑われるかと思ったけど。 「死なないよ。そんな、「死んでもいいと思った」って思いながら旅行に出たけど、実際にそういう場面になったら「助けてーママー」って心の中で叫ぶだろうし(笑)。第一、そんな弱くない、大丈夫」
こう日記にしてても、まだ目がうるうるする。 (笑)。 そこで、やっと、彼が死んだらっていう不安や怖さが落ち着いた。 安堵したら、またそこでわーわー泣いちゃった。
おやすみのキスがうれしくって、安心して眠りについた。
彼は、こんな私をどう思ったのかな? 呆れたかな? 怖い女、と思ったかな? それとも、女の子の日がきてるから精神不安定なのはしょうがないと思ったかな?
人はいつか死ぬ。 結婚したら、ほとんどはどちらかがどちらかを看取る。 死ななくても、生きている途中で大病をしたり、事故で大怪我をしたり、するかもしれない。 植物人間になる人もいる。 足を失う人、手を失う人、一生車椅子になってしまう人もいる。 いつ、自分だってそうなるか分からない。 でも、いつも、その身に降りかかってこないから、普通に生きて歳をとって病気か老衰で死ぬだろうって思ってる。
現実はそうじゃないのに。
一日、一日を大切に生きようと思う。
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