日々あんだら
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2013年08月11日(日) |
『風立ちぬ』(※ネタバレ・批判あり) |
『風立ちぬ』を観て来た。 観終わって一番の感想は、「うーーーん・・・」。
これはあれか?ラブストーリーなのか?最初からラブストーリーを期待して観てたら良かったのか? でも、ラブストーリーとして観ると余計なものが多すぎる。 じゃあ、ラブストーリーではないものとして観たら、内容が浅すぎる。 なんなん、これ? やっぱり駿は「の」が入ってないと空振りなのか!?
ガンガンCMや特集組まれてるので知ってる人も多いだろうけど、 この物語の時代は大正〜昭和初期。関東大震災〜第二次世界大戦頃。 主人公は堀越二郎。零戦の設計主任として知られる、実在の人物である。
なので、そこはホラ、零戦の設計者としての葛藤とか苦悩とかがあるのかな、とか期待して観るわけですよ。 敵国人を殺し、日本の若者を殺す兵器を開発した人間としてのね。 それが全くない。 全くないどころか、戦争が始まる直前(もしくは始まった直後?)のシーンの次が終戦だった。 なにそれ、端折りすぎやろ!!
そのほかにも、全編に渡って、堀越二郎の感情や意志がほとんど見えてこない。 見えてくるのは、「飛行機を作りたい!」「菜穂子(奥さん)を愛している!」という二点のみ。 それ以外には感情が無い人のように描かれている。 関東大震災で、大火事が起こってたくさんの人が死んだり焼け出さりしていても、全く心が揺らいでいない。 そんな最中にも飛行機の夢を見て、本を救おうとしている。
宮崎駿があえてそういう風な人間(飛行機バカ・嫁バカ)として描こうとしたのか。 それとも、そういう行動の裏にある感情を描くつもりが、声優が素人なので表現できなかっただけか。 よくわからんが、どっちにしても物足りない。
それ以上にシーンの切り替えが唐突すぎる。 夢と現実の切り替え。 今の時代から次の時代への切り替え。 それが唐突過ぎて違和感しか覚えない。 特に時代と時代の切り替え。 あれって子供は絶対ついて来れないだろうし、日本の歴史に詳しくない人(外国人とか)が観たら 全くわけがわからないのではないか。
そして、ラストがショボい。 なにあの尻切れトンボな終わり方。 ハッピーエンドでもバッドエンドでもない。終わる感じも続いて行く感じもしない。 その後の堀越二郎の人生を想像させるような余韻が全くない。
え?まさかこれで終わり? え?ホンマに?うわ、ユーミンの歌が流れだした! …この主題歌、ええ曲やなぁ。。。
って感じでした。(笑)
全体通して、宮崎駿が何を表現したかったのか、伝えたかったのか、それが全く見えませんでした。 そしてストーリーとしても良くできていない。 なんか、ものすごく消化不良で帰ってきました。明日絶対胃もたれするわコレ。(笑) 唯一感動したのは、二郎と菜穂子の結婚のシーンだけやったなぁ…やっぱりこれはラブストーリーか。^^;
そんなわけで、ちょっとがっかりやったんやけど、でも十数年ぶりに入った映画館という空間は、とてもおもしろかった! ちょっとまた映画館に行きたくなった! それが本日の収穫でした。(笑)
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