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2005年06月30日(木)
「クローサー」は80点

「クローサー」
マイク・ニコルズ監督 ジュリア・ロバーツ ジュード・ロウ ナタリー・ポートマン クライヴ・オーウェン 主題歌「ブロウワーズ・ドーター」
男女四人が絡む恋愛模様。三角関係だと物語が収束するが、四角関係だと物語は拡散しないか、そんな心配は杞憂に終わった。確かに収束はしないが、見事に着地した。

一目惚れ、嫉妬、裏切り、誘惑、騙し、一途な恋、ウソ、誠実、身の引き際、泥仕合、さまざまな恋愛模様を見せてもらったが、ひとつ分かったのは、男と女どちらかが主導権を握ったほうが、思い通りの結末を得ることができる。そのためには「真実」やら「誠実」やらは必ずしも必要ではない。全てがそういい切れるかどうかは自信ないが、この映画の中では説得力があった。

恋は一般的に行って、出会い→駆け引きやらセックスやら愛の言葉やらのいろいろ→別れとなるが、この映画では真ん中の「いろいろ」を見事に省略している。だから役者は一瞬一瞬の表情が真剣だ。この省略の美が大変素晴らしい。

特に、特に、ナタリー・ポートマン、彼女はエクセレント、ビューティフル、ワンダフル、イヤー良かった。あの涙、オーウェンを後ずさりさせたあの目、惜しげもなく晒したあの身体、猫背で眠るときなんて髪型もそうだけど、まるで「レオン」のマチルダだ。彼女の大ファンとして、ゴールデン受賞は当然だったとみんなに声を大にして言いたい。いまだあの最初と最後の音楽が耳についてはなれない。「cant take mind I love you ……」(違っていたらごめんなさい。)

やがてそのあと少し感想が変わった。やはり「誠実」は必要である。しかし、それは丸裸の自分をさらけ出すという意味の「誠実」である。そうでなくては「出会い」はあっても「別れ」は必然なのだ。今は結婚しても簡単に離婚できる時代だ。誘惑して騙しても、いつまでもウソを突き通すことは出来ないだろう。
(05.06.04記入)
(05.06.08一部訂正)