黄色い月を追いかける
帯状の黒い雲。
a.m.1:00
戦争でもあったのではないか
そう思わせるような
征服感を漂わせる黒い雲。
銭湯の煙突から出る煙のような形を
しながらも
違う。
何かを求めて
必死な黒。
恐怖を漂わせながらも
何故か滑稽だった。
ほら。
優しい黄色の月が
ほんのちょっぴり姿を見せる。
愚沌とした黒もいつしか
風に流されて
何もなかったように
其処に月が存在する。
どんな色も自らの色に
変えてしまう黒が
何にでも染まる透明な風に
誰にも気付かれずに
フイに流されてしまう。
普遍の存在を維持し、
輝き続ける黄色は素知らぬ顔。
そんな雲にも月にもなりたくはない。
そうだな。
出来るなら
青い空に浮かぶ白い月がいい。
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