アイデンティティー

2006年12月11日(月) 30

ココ、痛いでしょ

 

 ぽっかり穴が空いたみたい

 …いや、なくなっちゃったみたいだ



彼の心は彼以外の私には分からないし、
表面化することが苦手な彼からは伝わらない。

それでも、私の頭を撫でる彼の手が優しかった事だけは確かだ。

彼の左胸に置いた手から、流れてくる寂しさを全て
受け止めたかったけれど、あまりに苦しくて手を離してしまった。

何も思わずに傷つけたワケじゃないけれど、
私の痛みは
彼が受けた傷の1/100にも過ぎないだろう。

もう、彼を思って泣くのはやめにしよう。

ただの偽善に過ぎない。



もっと、もっと早く出会いたかった。

何も知らなかった私なら
彼をもっと幸せに出来ただろう。

彼の望む結婚も応えただろう。

2人で会ったから何一つ変わらずに、
あの日以上に大事にしてくれた。

きっと彼は一生大事にし続けてくれただろう。



大輔と結婚すれば、

私は一生幸せになれたかもしれない。



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桜木 舞 [MAIL]