(仮)日記
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2008年08月09日(土) 道元の冒険





蜷川幸雄演出、主演は阿部寛。

演者10人で50人近い登場人物をそれぞれ演じ分け、歌あり笑いありの舞台でした。
ミュージカルが苦手なので歌われるのはちょっと、と思っていたけど、まあなんとか。阿部さんの低い歌声に酔い痴れて気にならなかったってことにしておいてください。
他にメインキャストの有名どころは横山めぐみに栗山千明。オールメールのシェイクスピアDVDを観て以来俄然注目の高橋洋と、天保十二年でのハマリ役に今回も素敵な大僧正て感じで木場勝己氏。

10人で50人を演じるわけだから、舞台袖の早着替えも重要。舞台上で黒衣さんが袈裟を着せてくれたり衣装替えの手伝い、あの木場さんの「ちょっと待て」は演出なのかアドリブなのか気になるところ。どっちでもいいし、どっちでも面白い。間に合わないメイクと足りない舞台上の人物に、右往左往している主役道元以外の動きがとても楽しい。

寺だから勿論袈裟、禅寺なので座禅、殆ど横顔ばかり見ていた文殊菩薩。
阿部さんは舞台左袖から余り動きません。

道元と、警察に捕まった不審者がお互いの夢を見て惑わされ、夢と現の狭間で苦しんでいるっていう設定でした。
ローチケの雑誌を見たときはこの説明でてっきり悲劇か何かと勘違いしましたが。大半がコメディでしたね。
前半戦はかなり笑わせてもらいました。

後半は若かりし頃の道元役も順番に変わって、ちょっとずつテイストの違う同じ人。
高橋さんのあの熱心な道元は見応えあり。悲劇も喜劇もどちらもこなす、この人の台詞まわしっていうか話し方?発声の仕方というか、その辺が好きです好みです。特に長台詞のときのマシンガンのようなとめどない語り口が。
舌咬まないのかしらと思ったりしないこともない(笑)

演出ですが。
何故鶏がナマモノだったんだろう。ばっさばっさと羽根を広げて演者さんの指を嘴で遠慮なくつっついている様はとても痛そうでしたが、さすが耐えてましたね。
出て来る度に弱っていく鶏が憐れでもあり、その様子が面白くもあり。

道元少年時代役の栗山の肩に手を置いて二人でデュエットな阿部さんの様子は、なんだかお稚児趣味みたいに見えた(笑)なまじ美男美女な上に、二人の身長差がいかんとも(笑)

応援歌を歌い始めたときの三人が非常によくて(笑)これ、元歌がわかる人はもっと面白いんだろうなと思いましたけど。さすがに大学の応援歌なんて知りませんし。

場面ごとにサブタイトルがついてて、それが壁の上の方に出ているのをちらちらと見るのが楽しかったですね。

最後のテレビ画面がわんさと現れてきたとき、舞台上の役者さんたちの後ろで見え隠れする画面のひとつにちょうどその時間に行なわれている高校野球が映っていて、高校野球大好きな仙名はその試合が気になって気になって、舞台どころでなく画面を観ようと必死になってしまいましたが。駒大岩見沢の試合だったんです。相手校は忘れました。

でも、クライマックスのあれはいまいち意味がわからなかった。道元の半生を描いた舞台だなあとは思ったんですけど、それと不審者との繋がりがねえ…。
舞台自体は面白かったんですよ。ただ、言いたいことが最終的によく読み取れなかったというか。それは観る側の私の問題かもしれませんが。



結論。
鷹司兼平サイコー(私的に)






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