某社の会長が勇退した。挨拶で「最近物忘れが激しいので備忘録を付けていたら、その備忘録をどこかに忘れてしまった」と笑いを誘う。「ここまで忘れるようじゃ、もう月給取りとしての資格はないと悟った」。そしてしみじみと「この前クリーニングに出した冬物の背広を再び着ることがあるのかな…」。仕事人である前に教養人であれ。詩人のような語り部から会長の温かさと豊かさを感じた。