コラム 金財茶房 〜 投資のゴマはこう開け!〜


2003年10月24日(金) 天下り、英語でいうと・・


こんにちは、カン・チュンド です。

22日の日経新聞朝刊に小さく

「埼玉県、天下り廃止へ」という記事が載っていました。

埼玉県の上田清司知事は県職員が退職後、外郭団体へ
“天下り”する慣行を廃止する意向を明らかにした。
現職役員についても任期満了後、速やかに退任してもらう。
人事権の発動は知事の権限であり議会を経る必要がないため、
来年度の人事から実行に移すと見られる。
県によると、首長の「天下り廃止宣言」は全国で初めてという。
 

んー、このニュースはテレビで放映されたのでしょうか?

(教訓・・)

記事の大きさと、ことの重要性は
必ずしも比例するものではありません。


(例えば)私たちは、
ニュージーランドから来た カーライズさん に
「天下り」という言葉を きちんと説明できるでしょうか?

(自信ない・・)

(とりあえず 教科書的には)

「天下り」とは、

「官僚が役所をやめて、関連の外郭団体や
 民間会社の高い地位に就くこと」

と解されます。

ではなぜ、この 官僚A は、
自分が勤めていたところを辞めた後、
ほかの会社や団体に就職できるのでしょうか?

なにか特別なスキルを
持っているからでしょうか?

(いいえ、)

この場合、官僚Aは
役所の影響力・出先機関 となっているのですね。


「天下り」は 役所 が
各種団体・企業に対して

「有形・無形の影響力」を持っているからこそ、
行う意味があるのです。

(ちなみに 和英辞典 では、
 次のような 解釈 をしています)

天下り は golden parachute ・・。
金 の パラシュート・・?


【語源】 企業が吸収合併されるときに、
買収された側の会社のトップ経営者が

有利な高額の退職手当をもらえるところから、
金のパラシュートで落下するというイメージ・・。

(ヤッホー、という気持ちなのでしょうか・・)

(ちなみに)

民間企業へ天下りする官僚の人
golden parachutist

天下りさせる
parachute (誰々)

と訳されます。


また 官僚A は

「自分が影響力のある人間だから、
 皆へいこらしてくれるんだ」

と勘違いしたりもします(笑)

このような勘違いが頻繁に起こるのは、

それだけ役所の影響力(すなわち)
権力 が絶大だからなのでしょう。

例) 許認可権・制裁権・人事権 など。


(ところで)わたしの故国、朝鮮 では、
新羅から李氏朝鮮にいたるまで
両班(ヤンバン)による貴族政治が続きました。

もともと両班(ヤンバン)とは

「武班」と「文班」の
ふたつを指して言っていたのですが、

のちに「文班」のみをさして
両班 と呼ぶようになりました。

「文班」、すなわち 官僚 ですね・・。

朝鮮では(世界史的にも稀有な)
官僚 による強固な【中央集権体制】が
長きにわたって続いたのです。

確かに 国家統治 という意味では、
効率的なシステムだったかもしれません。

しかし、そのことが
朝鮮の近代化 を遅らせる原因のひとつになったと
わたしは思っています。

(地方が、国民が、政府から
 自立する機会 を持てなかったという点において・・)


日本で「天下り」ということばが
未だ市民権を得ているのは、

官僚 による【中央集権体制】が
色濃く残っているからです。
(国民も 政府 に頼っている部分がある・・)


はやく「天下り」が 死語 になることを願っています。

皆さん、よい週末を!

(来週は【お金のなる木の見つけ方】のお話をします・・)


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