コラム 金財茶房 〜 投資のゴマはこう開け!〜


2004年01月14日(水) 神は誰にも味方しない・・


こんにちは、カン・チュンド です。

私どもの事務所に来られる方は、

「運用を始めてみたけれど、
 このままの状態で果たしてよいのか?」

という疑問を抱いておられる場合が多いです。

特徴として挙げられるのは、皆さん、

「この A株式ファンドが・・」
「この 新規公開株が・・」
という言い方をされることです。 

森(ポートフォリオ)を見ずに、
どうしても 木(ひとつの金融商品)を見てしまうのですね。

もうひとつは
市場(マーケット)とのつき合い方についてです。

例えば、

「株式市場が来週、20〜30%
 下落してしまったら、どうしますか?」

とお聞きすると、

「元本確保型商品に資産を移して様子を見る・・」
と答える方が多いのではないでしょうか。

しかし、
これはどういうことでしょう?

含み損を抱えている金融資産を売却し、
含み損を実現させてしまう、ということです。
    
(安い時に、金融商品を売ってしまうということ)


株式を売買するところは「株式市場」と呼ばれます。
債券を売買するところは「債券市場」と呼ばれます。

わたしはこの
「市場」という言い方が好きで、

それはさまざまな商品を売り買いする
『いちば』を連想させます。

株式市場という「いちば」は、毎日開いています。

何百、何十万という人々が、
己の利益のために、

あるいは運用を委託してくれた
クライアントのために、

「いちば」という生き物と対峙します。


優秀なディーラーは、己の直感に頼るより、
「いちば」という世界の流れを掴もうと努力します。

つまり、いかに 我を捨て、
無に近づけるか、ということ。


例えば、株式市場という「いちば」は、
あなたという一介の人間のことなど気にしません。

いつ運用を始めようか悩んでいるAさんのことも、
株式ファンドを買って2年が経過したBさんのことも、

また、来月定年を迎えて、
運用している資産の半分を
現金化しようとしているCさんご夫婦のことも、

「いちば」は一切、考慮してくれません。

つまり、
天気と市場は、あなたの思惑に関係なく動く。
ということです。


あなたが「いちば」を
コントロールすることは出来ませんし、

また、コントロールできるのでは?
と思うこと自体 危険 です。

誰もがいちばん安い時に株式を買って、
いちばん高い時に売りたいと思っていますが、

それは言ってみれば、一介の人間が、
刻々と変わる「いちば」の意思表示を

逐一把握できる、という「思い込み」であり、
現実には極めて困難なことなのです。


「株式市場 は所詮、
 欲の皮のはつり合い、一か八かのギャンブルだ」 

と思うのか、

「株式市場 はひとつの 意思 を持っており、
長期的に見れば、経済の動きを反映する『鏡』である」 

と思うのか、

それは、皆さん次第です。


ただ、
もし皆さんが「後者の考え」をお持ちならば、

マーケットのタイミングを読まない、
つまり、市場(マーケット)に 居座り続けることが、
実は最大の防御であるとわたしは考えます。


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