コラム 金財茶房 〜 投資のゴマはこう開け!〜


2004年05月29日(土) ファイナンシャルプランニング序章 その6)


こんにちは、カン・チュンド です。

ご褒美が欲しければ、我慢しなさい・・。
リターンが欲しければ、不確実性 を享受しなさい。

また、

マーケットリスク を受け入れた者だけが「報われる」、
というのも 半ば正しい格言です。

しかし、リスクを受け入れる とは
単に 感情的 陶酔 にはまることではありません。

「よっしゃ。これで行こう!
うわあ、修羅場 に足を突っ込んでいる、
こんなわたしは ステキ・・」

ではないのですね(笑)


リスク とは 計量 するものです。

リスクの塊 を細かく砕いて
大きい小さいを考慮しながら
バランスよく配置する・・。

リスクの大きさを捉え、
分散させ、その威力を最小化することが
適切なリターンを得るための【効率的な方法】なのです。

(当然、これは
感情 で行うのではなく 理性 で行うものです・・)

多くの方は リスクは目に見えず、
実際に起こらないとその「痛み」がわからないので、
真剣に考えようとしません。

左足のかかとに リスク を詰め込んで(能天気に)
「真っ直ぐに歩けるはずだ・・」と
思い込んでいるのです。

運用の設計図(ポートフォリオ)で
云えば 【偏っている】状態ですね・・。


例) 田中さん 45歳。

田中さんには
3,500万円の 資産 があります。

そのうち、
所有するマンションの評価額 が 3,000万円。

注)評価額 とは、
  売却できる価格のことです。

(兵庫県芦屋市のパーフェクト芦屋 204号室・・)

残りの500万円は、
A銀行に 預金 として預けています。

さて、田中さんがこの500万円を用いて、
やれインデックス・ファンドだ、
ヨーロッパ債券ファンドだ、中国株式だ、

と国際分散投資 を行ったとして
(果たして)意味があるのでしょうか・・?


皆さんぜひ、

資産の集合体(ポートフォリオ)を
【円グラフ】でイメージしてみてください。

そもそも田中さんのポートフォリオは、
最初からその「バランス」が
大きく崩れてしまっています。

そうです、

ポートフォリオの中で
占める割合が高い この不動産、

(85%を超えています・・)

芦屋市○○町1−2−3
のパーフェクト芦屋 204号室。


この、世界にふたつとない 動けないモノ・・。

(別名・・有形固定資産)

切り売り・変形ができない 単価の高い資産・・。

(云ってみれば、単品 です)


田中さんの 資産形成 は
(まさに)芦屋という 街の将来 と
一心同体の如く存在する!

と言っても過言ではありません。

(こんなに リスク が
 集中してよいのでしょうか・・)


【偏った】ポートフォリオを
保有する田中さんは、

理に叶ったポートフォリオを
保有する鈴木さんよりも

(潜在的に)大きなリスク を抱えています。


リスクが集中する とは、

(例えば)数種類の 個別株式のみ を保有する、
     偏った業種の 株式のみ を保有する、
     偏った国の 金融資産のみ を保有する、
     偏った国の、偏った 金融資産のみ を保有する、

ということです。


田中さんが抱える 潜在リスク は
非合理的なリスク、つまり
将来のリターンに貢献しない種類のリスク なのです。

(これを
 非システマティック・リスク と呼びます)

私たちは 多様な金融資産
(アセット・クラス)を保有することで

この 非合理的なリスク
できるだけ小さくしなければなりません。

(適切なリターンを得るための【効率的な方法】・・)


その基本は
債券 と 株式 の組み合わせ です。

(債券 は
 満期までの期間が短いもので OK です)

日本の金融資産を特別視せず、
外貨建て資産 も
同じ土俵の上 で評価してください。

また、
株式 とひと口に言っても、

日本を含めた
先進諸国の株式 もあれば、

新興国群(エマージング・マーケット)の
株式 もあります。


あるいは、株式 を
大型株式・小型株式 というふうに
「分類」することも可能です。

(これを「スタイル分類」と呼びます)


バリュー株・グロース株 に
分けることも可能です。

国際的に分散されたポートフォリオに
(スタイル分類における)
小型株式 と バリュー株式 を

(あたかも料理における スパイス の如く)
組み入れることで、
期待リターンの改善を図ることが可能です。

(もちろん保有リスクも!)


資産運用の世界では

これら一連の作業を
「ポートフォリオの設計」と呼んでいます。

(なんだか プラモデル を作るみたいでしょ?)

プラモデル と違うところは、
完成のカタチがひとつではない という点です。


(もっと云えば)完成のカタチは、
おひとりおひとりで異なってくるのです。


そして、運用の設計図作りの決め手は、
その方が「どれくらいのリスクを許容できるか」を
計測することです。


お知らせ)

わたくしの盟友、
村上 慶一 氏 が大阪でセミナーを行います。


【会社を良くする税理士・ダメにする税理士】その見分け方  
   
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 6月20日(日) 大阪産業創造館 6階 会議室D
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