2004年06月22日(火) |
リスクを飼い慣らす その3) |
● お知らせ
ただ今発売中の【マネージャパン 8月号】 全国のFPに聞きました「100万円の預け先」に寄稿しています。
(本屋さんで立ち読みを!)
こんにちは、カン・チュンド です。
リスクをイメージする上で いちばん大切なことは「バランス感覚」です。
小学校1年生の「真っ白な」頭で 公園にある シーソー を思い浮かべてください。
双方に 質量 があって、 適度なバランスで シーソー が均衡していますね。
( ↑ これが バランスのよい状態 と云うのです)
はい、 そして今 あなたは「住宅」を保有している人です。
あなたは600万円の頭金を支払い、 あとは借金をして 3,8000万円の マンション を購入しました。
(3,200万円の負債 : 30年返済)
※ ちなみに今あなたの手元にある資産 (現金・預金)は 約400万円 です。
ここで世の多くの ファイナンシャルプランナー は 「繰り上げ返済」を説きます。
「繰り上げ返済」をすれば (まず)負債 が減るからです。
そして、 払わなくて済む 利息 が発生します → ローンの総支払い額 が減り、返済期間 が短縮されます。
(まるで 魔法の壺・・)
しかし、どうでしょう・・。
「繰り上げ返済する」とは、 あなたが保有する 現金・預金部分 も減り、
あなたの資産の中に 占める 不動産 の割合が増加する ということです。
(ここ、重要!)
数字にすると以下のようになります。
住宅購入時)
総資産 約4,200万円 うち 現金・預金 400万円 (約9.5%) 不動産 3,800万円 (約90.5%)
住宅購入から2年。100万円の繰上げ返済を3回行う・・)
総資産 約3,300万円 うち 現金・預金 100万円 (約3%) 不動産(時価評価) 3,200万円 (約97%)
「もし この 住宅 に何かが起こったら・・」 という リスク は
(住宅購入時に比べて)増加していますね。 リスク が極度に偏っているのです → バランスが悪い。
(リスクは)目に見えない「細菌」のように そこかしこに はびこっています。
ある人は「動かないことが安全だ」 と勘違いしていますが、
「動かないことで」あなたの身に何かが降りかかる 潜在的なリスク は増しているのです。
近鉄とオリックスの合併問題が ニュースで取り上げられていますね。
(実は)プロ野球では 以前から 球界再編・1リーグ制 云々の話は 取り交わされていたのです。
しかし、リスク が実際に発生していなかったので、 なかなか「動けなかった」のですね。
要するに人は(多くの場合) 「何か 事 が起こらないと、行動しない」のです。
実は「事 を予測し、前もって 行動 する」ことが リスク に対するいちばんの処方箋であり、
コスト を抑えることができる 知恵 なのですが・・。
(上記は 投資 においても云えることで)
多くの運用者は、市場(いちば)が 上昇の流れ に乗ったことを確認して 株式 を買い始めます。
理由)「上がってるじゃない!」
では、上がっている株式を買うことが (ほんとうに)あなたの利益に叶っているのでしょうか?
上がっている株式を買うとは、 下がっている株式を買うより、 引き受けるリスク が高くなるということです。
もしかするとあなたは 「乗り遅れたくない・・」という 心理 に 支配されているだけでは・・?
さて、あなたは(結果として) 「高い値段で」株式 を購入しました。
いざ市場(いちば)が下がり始めると、 あなたはどうなりますか?
「怖くなる・・」
(そうですね・・)
では、なぜ 怖くなるのでしょうか?
それは あなたが (自分の買った)株式の値段 が下がるなんて 最初から想定していなかったからです・・。
あなたは「もっと下がったら・・」 という 強迫観念 に支配され始め
(そして)いちばんやってはいけないことを してしまうのですね。
「安い値段で売ってしまう・・」
( ↑ 上記を【市場の後追い現象】と云います)
(わたしは思うのですが)
あなたが真の意味で「利己的」に振る舞えば、 市場(いちば)を後追いするようなことはなくなるはずです。
※ 利己的・・ 自分の利益のみを追求しようとするさま。
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