コラム 金財茶房 〜 投資のゴマはこう開け!〜


2004年08月25日(水) 投資の心理学 その4)


こんにちは、カン・チュンド です。

さて、「まだあるの?」と思われるかもしれませんが、
私たち運用者の「思い込み」です。


● 株価 は(いつでも)その会社の 適正価値 を表している。
 (つまり)株価 はいつも 正しい。

 ↑ いいえ。そんなことはありません。

株価 というものは(そもそも)ブレるもの です。
(つまり)適正価値 の、上を 下を 超えて 動くもの なのです。


● 最近起こった出来事・最近の傾向 が正しい。
 ↑(ただ単に)いちばん新鮮な記憶 だから?

私たちは 最近起こった出来事
最近の傾向 を過度に信用してしまいます。

最近の出来事 を見て、
「そうか。いつもこうなんだ」と思い込んでしまう。


具体例 を挙げてみましょう。

1987〜89年の「3年間」で
【日経平均株価】はおよそ 2倍 になりました。

(年率 26% のリターンを獲得したことになります・・)


1987年 1月9日 の【日経平均株価】
18,810円

1988年 1月8日 の【日経平均株価】
22,872円

      6月10日の【日経平均株価】
27,920円

     12月24日の【日経平均株価】
29,686円

1989年 3月3日 の【日経平均株価】
32,130円

      9月8日 の【日経平均株価】
34,115円

     12月29日の【日経平均株価】
38,915円


年率 26% という収益率は、
「過去の実績収益率」と比べると明らかに <良すぎる数字> です。

(1970〜2000年までの「大型日本株式」の 平均収益率 は
8.1% なのですから・・)


しかし当時の株式市場では「長期の物差し」を顧みる人もなく、
「上がる、そして維持する、また上がる。イエーイ!」という

方向性 でしか、
物事をイメージできないような状況だったのです。


「歴史 に学ぶ? とんでもない!」 ← (ある種の 熱狂、白昼夢・・)


ヒトは、
マーケット全体が上昇するにつれて「楽観的」になり、

明日も、その次の日も上がり続けるだろう、
と思い込みます。

(逆に)マーケット全体が下降する局面では、
ヒトは「悲観的」になります。


多くの運用者は 最近の出来事・最近の傾向 のみを気にして、
まるで 俳優 のように「超楽観」と「超悲観」を演じ分けるのです。

(決して 長期の実績データ は見ない! 苦笑)


そして(ここがポイントなのですが)

● 悪いニュースが発生した時、
マーケットは「これでもか!」と大げさに下げ、

良いニュースが発生した時は「これでもか!」
と大げさに上げるものなのです。


そして 楽観の局地 に着いた人々は、
今までの経験則、常識 というものを平気で
「ゴミ箱」に投げ捨てたりします。

株価収益率(PER)が500倍、1000倍になろうと、
「大丈夫! 利益も毎年倍々ゲームで増えていくのだから」
と思い込むのです。

(恐い、恐い・・)


10人中10人が 頬 を上気させ、
一方向に頭(こうべ)を垂れながら 踊り始めたら、

それが パニック & クラッシュ の
「前兆」だと思ってください・・。





          


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