コラム 金財茶房 〜 投資のゴマはこう開け!〜


2005年04月28日(木) その他の笑える語録


こんにちは、カン・チュンド です。

前回の続編ですよ。

その1) ある本の新聞広告から。

◆ 次にくる波

  長期金利6〜10% 1ドル=300円
  年30%超のインフレ、そして大不況の到来
 「まさかの時代」が迫る!

クククク・・・。


はい、これって(よくある)危機あおり型 の広告ですね。
この種の本は 人の不安感 を煽ります。

そして、人の思考 を1本の 棒 のようにして、かつ
直径10cmの枠の中に押し込みます。

そして「甘い蜜はこっちにありますよ」と誘いを掛けるのです。

そもそも上記のキャッチコピーは、
「時間の経過プロセス」というものを無視しています。

年30%超のインフレ、長期金利6〜10% と言われると、
「その状態がず〜っと続いてしまうような」錯覚 に陥りますが、

そんな状態が「ず〜っと続くことは」ないのです(笑)
最悪の事態を「常態化」して、危機を煽っているのです。


そしてこの手の本が紹介する「甘い蜜」、

例えば、スイスの○○バンク、ヘッジ・ファンド、外国不動産などは、
言ってみれば手品の「道具」です。

あなたの目先を変えて、
いかにも特別で恐れ多いものとして宣伝します。

ちょっとした距離感があり、
かつ馴染みがうすい金融商品(道具)であれば、

こういった演出がしやすいのです。

(んー、日本人の 西洋権威 に対するコンプレックスも
 影響しているのでしょうか・・)

あっ、それからべらぼうに高い手数料を取られることにも
ぜひお気づきください(笑)


その2) 日経金融新聞「見出し」から。

◆ インド投資に関心高く

BRICs 投資について個人投資家に調査。未経験者も過半が前向き

クククク・・・。

インド投資ですか。今、ブームですよね。
しかし「ブーム」にある投資対象って、要注意です。

(ブーム になればなるほど、供給者の質 が低下します。
需要者の質 が低下するのは言うまでもありません ⇒ 群がりますから・・)

確かにここ半年くらいで設定されたインド株式ファンドは
予想以上の資金を集めています。


でも(ちょっと冷静に)考えてみましょう。

インドの株式市場は中国のそれよりずっと統制されたマーケットです。
(政府によって)

なにしろ外国人投資家(個人)は
未だにインドの株式を買えないのですから・・。

⇒ つまり、
 「個別株式」を売り買いする道が閉ざされている、ということ。

現在、インド株式にアクセスできる外国人は「機関投資家」のみです。
(ずいぶん「細い道」になりますね・・)

その「細い道」に立つ 機関投資家 に、
多数の個人投資家 が群がっているのが、

今の「インド株式ファンド」の状況なのです。


人気が高まれば高まるほど、
「細い道」に 人(= お金 )が殺到することになります。

自らの資金 が、
特定の株式の値段を吊り上げてしまうことにもなります。

(価格を吊り下げてしまうことももちろんあります・・)

(実際)インド株式市場の売買高は増加しており、

「おいおい、一体なぜなんだ?」
といちばん驚いているのがインドの人たちなのです。


また、未経験者も過半が前向き と書いてありますが、
まだ「海」に浸かったこともない人に、

「さあ、10kmの遠泳をやろうか?」とけしかけるようなコメントですね。
(物事には 順序 というものがあるのです・・)

(実は)弊所では 5/29、6/5 に
【これが エマージング株式 への投資ノウハウだ!】

というセミナーを開催しますが、
できるだけ等身大のお話を、煽らずに(笑)したいと思っています。


最後に、

その3) 金融広報中央委員会のアンケートから。

◆ 6割弱の回答者が
「元本保証が約束されていなければ運用しようとは思わない」
と答えています。

クククク・・・。


実はいちばんおかしいのは、私たち一般消費者自身なのです(笑)

運用する とは、

見せかけの元本保証が約束されていない投資対象に
自らの資金を提供することであり、

見せかけの元本保証が約束されていれば、それは運用とは呼びません。

(ちなみに「見せかけの元本保証」自体に大した意味はないのですが・・)

皆さん、素敵なG・Wをお過ごしください!

 第12回 【知的人生設計入門】
〜2日間だけ通う「お金の学校」です〜
 5/15・22日 in 大阪産業創造館 




               屋根より高い鯉のぼり・・♪



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