こんにちは、カン・チュンド です。
前回の続編ですよ。
その1) ある本の新聞広告から。
◆ 次にくる波
長期金利6〜10% 1ドル=300円 年30%超のインフレ、そして大不況の到来 「まさかの時代」が迫る!
クククク・・・。
はい、これって(よくある)危機あおり型 の広告ですね。 この種の本は 人の不安感 を煽ります。
そして、人の思考 を1本の 棒 のようにして、かつ 直径10cmの枠の中に押し込みます。
そして「甘い蜜はこっちにありますよ」と誘いを掛けるのです。
そもそも上記のキャッチコピーは、 「時間の経過プロセス」というものを無視しています。
年30%超のインフレ、長期金利6〜10% と言われると、 「その状態がず〜っと続いてしまうような」錯覚 に陥りますが、
そんな状態が「ず〜っと続くことは」ないのです(笑) 最悪の事態を「常態化」して、危機を煽っているのです。
そしてこの手の本が紹介する「甘い蜜」、
例えば、スイスの○○バンク、ヘッジ・ファンド、外国不動産などは、 言ってみれば手品の「道具」です。
あなたの目先を変えて、 いかにも特別で恐れ多いものとして宣伝します。
ちょっとした距離感があり、 かつ馴染みがうすい金融商品(道具)であれば、
こういった演出がしやすいのです。
(んー、日本人の 西洋権威 に対するコンプレックスも 影響しているのでしょうか・・)
あっ、それからべらぼうに高い手数料を取られることにも ぜひお気づきください(笑)
その2) 日経金融新聞「見出し」から。
◆ インド投資に関心高く
BRICs 投資について個人投資家に調査。未経験者も過半が前向き
クククク・・・。
インド投資ですか。今、ブームですよね。 しかし「ブーム」にある投資対象って、要注意です。
(ブーム になればなるほど、供給者の質 が低下します。 需要者の質 が低下するのは言うまでもありません ⇒ 群がりますから・・)
確かにここ半年くらいで設定されたインド株式ファンドは 予想以上の資金を集めています。
でも(ちょっと冷静に)考えてみましょう。
インドの株式市場は中国のそれよりずっと統制されたマーケットです。 (政府によって)
なにしろ外国人投資家(個人)は 未だにインドの株式を買えないのですから・・。
⇒ つまり、 「個別株式」を売り買いする道が閉ざされている、ということ。
現在、インド株式にアクセスできる外国人は「機関投資家」のみです。 (ずいぶん「細い道」になりますね・・)
その「細い道」に立つ 機関投資家 に、 多数の個人投資家 が群がっているのが、
今の「インド株式ファンド」の状況なのです。
人気が高まれば高まるほど、 「細い道」に 人(= お金 )が殺到することになります。
自らの資金 が、 特定の株式の値段を吊り上げてしまうことにもなります。
(価格を吊り下げてしまうことももちろんあります・・)
(実際)インド株式市場の売買高は増加しており、
「おいおい、一体なぜなんだ?」 といちばん驚いているのがインドの人たちなのです。
また、未経験者も過半が前向き と書いてありますが、 まだ「海」に浸かったこともない人に、
「さあ、10kmの遠泳をやろうか?」とけしかけるようなコメントですね。 (物事には 順序 というものがあるのです・・)
(実は)弊所では 5/29、6/5 に 【これが エマージング株式 への投資ノウハウだ!】
というセミナーを開催しますが、 できるだけ等身大のお話を、煽らずに(笑)したいと思っています。
最後に、
その3) 金融広報中央委員会のアンケートから。
◆ 6割弱の回答者が 「元本保証が約束されていなければ運用しようとは思わない」 と答えています。
クククク・・・。
実はいちばんおかしいのは、私たち一般消費者自身なのです(笑)
運用する とは、
見せかけの元本保証が約束されていない投資対象に 自らの資金を提供することであり、
見せかけの元本保証が約束されていれば、それは運用とは呼びません。
(ちなみに「見せかけの元本保証」自体に大した意味はないのですが・・)
皆さん、素敵なG・Wをお過ごしください!
第12回 【知的人生設計入門】 〜2日間だけ通う「お金の学校」です〜 5/15・22日 in 大阪産業創造館
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