コラム 金財茶房 〜 投資のゴマはこう開け!〜


2005年12月31日(土) 証券会社ものがたり パート3


さて、

証券会社 がひとりの投資家として『いちば』に参加する、
という 意味 について考えてみましょう。

(もうこんなことをしている証券会社はないと思いますが・・)

自ら 相場 を演出する、
ということも(実際)可能 なのです。


どういうことかというと、
まず証券会社自身が、A会社 の株式を購入します。

そして、A会社 を 大口の顧客 に推奨します。
また 証券会社は A会社 を買い進めます。

(株価 が上昇しますね・・)

当然、大口の顧客 は喜びます。

そして、A会社の 株価 が上昇しきったところで、
証券会社が 小口の顧客 に A会社 を推奨すればどうでしょう・・?

(つまり、「最後の買い手」を設定することで、

自らは「その売り手」になることが可能になるのです・・)


わたしはいつも思うのですが、

あらゆる商品・サービスにおいて、
仲介(斡旋)と 販売 を兼ねることは【利益相反】を招きやすい・・。


皆さんは そう思いませんか?


先日、「情報社会の進展に伴って、
仲介業 としての証券会社の付加価値は限りなく逓減していくでしょう」

とお話しましたが、

はっきり言って(不動産の仲介業者さんが多すぎるように)
証券会社さんも多すぎると思います。

(そう遠くないうちに)半数くらいは淘汰されるでしょう。


ただ、証券会社 も手をこまねいて見ているわけではありません。


証券会社 の重要な仕事に
3.アンダーライター業務(引き受け業務)があります。

(繰り返しになりますが)
株式は、証券取引所という『いちば』で売買されますよね。

実はこの『いちば』には、もうひとつ重要な役割があります。


(企業側から見ると)

『いちば』は、資金調達の場 でもあるのです。


例えば今、業績好調の B社 があるとします。

この機に中国に進出して、工場を建設したいと考えました。
(資金 が必要ですね・・)

そこで B社 は、新たに株式を発行して、
あまたの人に買ってもらおう = 資金調達を行おう とします。

しかし、B社が投資家の方に直接、

「はい、いちば にいらしてください。1株1,000円 ですよ!」

と販売するわけにはいきません。


そこで、証券会社に 幹事 になってもらい、

100万株なら100万株を 引き受けてもらう
= 買い取ってもらう わけです。

証券会社は自らの責任で、その100万株を販売するわけですね。

(ここでは、株式 を例にお話しましたが、社債なども同様です)


3.アンダーライター業務とは すなわち、
「リスクの引き受け手 になる」ということなのです・・。

(資本主義社会においては)たいへん 重要な役割 です。


(余談ですが)世界マーケットを相手にする大企業 は、

「共同主幹事」という形で、国内証券会社 と 外資系の証券会社 を共に
指名することがあります。

(外資系の証券会社も指名することで)海外の投資家 からも
「資金調達」を図る狙いがあるからです。

(なかなかグローバルでしょ・・)


また、独自の技術を持った成長性の高い企業 を発掘し、
『いちば』へ登場させる = 上場させる ことも、

証券会社の役割のひとつです。

会社が上場するとは、社会の 公器 になることであり、
「努力すれば報われるのだ」ということの 具体例 でもあります。


それより何より、私たち消費者の側から見ると、

『いちば』に登場した 企業 は、
投資対象となる一条件をクリアした、と云えるのです。


なぜなら、『いちば』(証券取引所)こそが、

いつでもその会社を 時価 で売り買いできることを
担保してくれる「公器」なのですから・・。




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