2006年01月04日(水) |
証券会社ものがたり パート4 |
証券会社というところは、 日夜 新たな企業 を発掘する任務を負っています。
そのためには、企業を客観的に評価するノウハウ を 持っていなければなりませんよね。
(一般的に)企業のことをいちばん知っている所って、 銀行 というイメージがありませんか?
(実は)今日の証券会社は、 その【銀行の役割】を 急速に兼ね備えてきています。
企業の実態を正確に把握し、 進むべき方向性を指南する「財務アドバイザー」として、です。
私たちは新聞紙上でよく 合併や買収(M&A)という言葉を目にしますが、
あの「仲介役」をしているのが、 財務アドバイザーとしての 証券会社 なのです。
このような証券会社の業務は、 ◆ 投資銀行(investment bank)業務 と呼ばれます。
「投資銀行」としての 証券会社 を見ていくと、 非常に興味深いものがあります。
例えば、
A証券会社(投資銀行部門)が B企業 に、 C企業 の 買収 を提案しました。
その際「資金調達」の手段として、 新株 あるいは、社債の発行 を持ちかけます。
( ↑ 証券会社の本業部分ですね・・)
あるいは、所有する 不動産の売却 を提案します。
(ただし、そのまま売るのではなく)
「証券化の手法」を用いて、 効率的に オフ・バランス(保有資産から切り離す)を図ろうとします。
また、証券会社が 企業 に 融資 する、 あるいは、企業に 直接投資 するということも可能です。
(例えば、こんなシナリオ・・)
複数の 新興企業 に(直接)投資する、不動産に投資する・・、
そして 投資主体を「ファンド」として組成し、 小口化して( = 証券化して) 一般投資家 に販売する、という手法です・・。
つまり、自らリスクを取りつつも、 「証券のしくみ」を活用することで、 リスクを 小口化 & 転嫁 させることが可能になるのです。
皆さん、モルガン・スタンレー や、 ゴールドマン・サックス といった
外資系の証券会社の名前を聞いたことがあるでしょう。
これらの証券会社では、
株式などの 売買委託業務 より、 (今お話した)財務アドバイザー業務、M&Aの仲介、証券化業務 などから得る 収益 の方が大きいのです。
そうです、
(実は)証券会社という【概念自体】が、進化しているのですね。
わたしがいつも感じていること、それは、
実物資産 → 有価証券 という「時代の大きな流れ」です。
これは、
資産を保有する「カタチ」が変わっていくということです。
不動産も、商品も、映画製作も、ワインの醸造も、 「証券」というカタチで 権利・義務 を明確化することができるのです。
その心は、
リスクの共有(細分化)です。
証券 は決して万能ではありませんが、その いちばんの特徴 は、
・『いちば』という舞台に上がらざるを得ない、
・あまたの投資家の監視にさらされる、
ということです。
あまたの投資家 は、リスクとリターンのせめぎ合いの中で、 その証券の“ほんとうの価値”をシビアに検証します。
そして、お互いが妥当と思う価格で、 売り買いが行われるのです。
つまり、証券というカタチでは、 合理的なプライシング(価格付け)がなされる、ということ・・。
これこそが、 『いちば』(取引所)のすばらしいところなのです。
もちろん、もうひとつの大きな流れは、
間接金融 → 直接金融 です。
直接金融 とは、
◆ 皆さん自身が、お金の巡り方を決定させる ということですね。
これからの時代、 お金を直接操る「主体」が増えていくでしょう・・。
さまざまな「主体」が、 独自の考え によってお金を動かすことで、 資本が最適に配分されていく・・。
まさに、 お金が 縦横無尽に闊歩している様 ですね。
わたしは証券会社のポテンシャル(潜在力)は 無限 だと思います。
もう、株(カブ)の売り買いで あくせく収益を稼ぐのは止めにしませんか・・?
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