Coconut Vanilla POISON*
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2002年07月07日(日)

昨晩は彼氏と27時間テレビを見てました。THE BOOMの「島唄」の歌詞の意味や経緯を初めて知りました。良い歌だと思っていたけど、そんなに深い意味があるとは知りませんでした。切ない歌なんですね。

コンニチハ美南海です。

うちで飼っている猫の話。6月22日(土)の日記に書いたトコだったんですが。

12年程前に付き合ってた彼氏が逮捕されて、傷心のアタシは動物を飼おうと思い立ったのです。アタシは犬でも猫でも良かったけれど、どちらかと言うと犬の方が好きだったので、友達に「出来れば犬が良いけれど、猫でも良いから貰って欲しいという人が居たら教えてくれる?」と頼んでおきました。

3日ほどでその友達から電話がかかり「子猫を拾ったの。犬じゃないけど良いかしら?」と。猫は犬ほど人になつかないし、猫は飼った事がナイから不安だったんですが、これも何かの縁だと思い、アタシはそのまま家に連れて来ました。アタシはその猫にマーテルと名付けました。当時のアタシは水商売をやっていて、名前を付ける時に「アタシの好きなブランデーの名前を」と思い、「MARTELL(マーテル)」を。

性格は獣医さんが「こんな気の荒い猫、過去に見た事ありません(▼▼#)」と静かにムカつかれるほど手の付けようの無いヤンチャモノで。うちに来るお客さんに噛み付き、流血させるなんて日常茶飯事。目が合っただけで威嚇の声を上げるほど短気でアウトローなヤツ。

去年、母が肺炎で「あと3日がヤマです」と言う死の淵から生還したと同時に、マーテルは腎不全を患ってしまいました。いきなりオシッコをあちこちにちびってしまうのです。餌も食べられなくて激ヤセしちゃって。犬猫病院に3ヶ月通い、毎日注射をしました。その甲斐あってか獣医さんに「もって半年、頑張れば1年ほどしか生きられないかも」と言われていたにもかかわらず、その後はなんとか持ちこたえ、餌も食べられるようになりました。

でもここ数週間ほど、また病状が悪化して病院通いだったんです。今月の初めには貧血と点滴治療で入院。ガリガリになった体で、帰ってきてからも餌は食べられず、水さえも飲みませんでした。ずっと目を開けたまま横になってるような状態で。それでもカリウム欠乏を緩和する為の錠剤をムリヤリでも飲ませていました。

病気をしてからずっと、風呂場で寝たり洗濯場で寝てたり・・・と、元気な頃とは違う場所で寝場所を陣取っていたんですけど、昨晩はどういう訳かアタシの部屋で寝ていたんです。アタシの部屋で寝る事なんて今までほとんど無かったのに。昨晩は彼氏も来てたので一緒に看病をしていました。マーテルの具合はアタシが見てもかなり状態が悪く、何も入っていない胃から胃液を吐く事を何度も繰り返していました。

もう数日も生きられないかもしれない。そんな思いが頭をよぎりました。

朝方、アタシ達が寝入ってからマーテルは動けない体をムリヤリ動かしたらしく、階段から転げ落ちながら下の部屋に行ったみたいで、元気な頃にいつもいた「玄関の靴箱の下」で横になっていました。呼びかければ、ニャアとも鳴きはしないものの、尻尾をパタパタと動かして答える状態。

夕方、知り合いとメッセで喋っていたところで母の叫び声が下の階から聞えてきました。
「マーテルが!マーテルが死にそう!はやく!!早く来て!!」
慌ててアタシと息子は玄関へ走りました。

マーテルは苦しがって、奇声を上げながら仰け反って七転八倒を繰り返していました。
アタシと母は必死に声をかけて背中をさすったりしたのですけど、マーテルは叫びながら目を見開き、痙攣しながら倒れ、動かなくなったと同時に瞳孔が開いてきてしまったのです。

・・・。およそ、時間でいうとたった30秒ほどの出来事でした。
その時、涙は出ませんでした。

抱きかかえて目を閉じてあげましたが、耳や鼻や肉球からは血の気がどんどん引いてしまい、やがて真っ白になってしまいました。病気をしてからと言うもの毛並みがすっかり悪くなっていたのに、どういう訳か遺体になったマーテルの毛並みはとても綺麗でした。まるでいつものように眠っているかのごとく。

しばらくしてからペット葬儀屋さんに電話をしました。1時間ほどで葬儀屋さんは来ました。
固くなり始めたマーテルを棺桶に入れ、白い衣を着せ、懐には途中で出会うかもしれない魔物と戦う為の小さな刀を持たせ、前足には白い数珠を。大好きだった毛を解くブラシ、寒がりだったので猫用のセーターを棺桶に一緒に入れました。
読経・焼香を済ませ、棺桶を家族で運び、ワゴン車に乗せました。

そのドアが閉まる時初めて、アタシには何とも言えない感情が押し寄せ、「お世話になります。宜しくお願いします。」とお辞儀の頭を下げたまま、止まらない涙で顔を上げられませんでした。

マーテルは火葬場へと荼毘に付されました。

日曜日で家族みんなが揃っている時で良かったかも知れない。明日だったらアタシも母も家に居なかったかも知れないから。そしてマーテルを拾ってきてくれた友達に訃報を伝えました。そして「マーテルを連れて来てくれてありがとうね」とも伝えました。友達は「こちらこそ、最後まで面倒見てくれてありがとう」と。

死に際はすごく苦しそうだったけど、これで注射や点滴はしなくて済むんだよね。楽になれたんだよね。1年以上の闘病生活だったもんね。命あるもの、生きている限りいつかは死ぬ。それは分かってるけど、やっぱり悲しい。アタシは猫アレルギーで、もうクシャミと鼻水と湿疹に悩まされなくて済むかもしれないけど、だけど悲しい。きっと病気の母の身代わりと、アタシの厄年の身代わりを被ってくれたのだと思っています。


ありがとう。



今日は泣き過ぎて頭痛がしますです。ショボン。
でもご心配無く。元気です。



・・・いや、ちょっとぐらい心配しろよオマエら <どっちよ
ウソウソ。本当に元気ですので。

他の人にとってみればどうでもいいような、ウチの猫の話でサーバー負荷高めたのと、長々とした日記をUPしてスミマセン。


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感想とか。


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