暁降
あかときくだち:
夜が更けいって、明け方近くになること。

2002年03月27日(水)

■数えきれない空の色■


●海から生まれ出る虹を見た。
初めて、海上から出ている虹を見た。海から陸地へとかかる空の橋。
山間部や、高原でなら、虹を見ることは割とあって。海から生まれる虹はなんか、凄かった。
大きい、でも淡い虹だった。

●夕焼けも綺麗だった。
伊豆半島がくっきりと見えて、それでいて山の中腹には雲がたなびいている。
富士山の向こう側に沈む夕陽。
空へ雲へ放射線状に伸びる光。
山々の陰影が、少しづつ濃くなっていく。澄んだ空気に広がる、何色もの夕陽の色。
朱とか、橙とか、ピンクとか紫とかもう数え切れないくらいの空の色。

●海には光の道が出来て。
それが夕陽の色を映していた。
波は波頭が白く上がるほどに荒れてはいたけれど、厳しいと云うわけじゃなかった。
烏帽子岩に、波が打ち付けては帰す様がよく見えた。
海の上は、薄曇りで大島は見えなかったけれど、少し視線を上げると青空が覗いていた。
そのまま西へと視線を移せば、雲に浮かんだ伊豆半島の先端が見えた。
雨で汚れたものが流された。

●昼間、凄い土砂降りだった。
雨音がひどくて、テレビの音がよく聴き取れないほどだった。
それが、4時を過ぎる頃から上がってきて。
夕陽に反射する、飛行機が遠くに見えた。
海上から陸地への空の橋が見えた。
富士山の影と、たなびく雲と、半島の影が幻想的で。
空を飛ぶ鳥の影がだんだんと濃くなって。
海の色が碧かった。波頭があって、サーファーがいて、犬を散歩する人や、ジョギングする人がいた。
日常があった。
何だか、少し、嬉しかった。
誰もが空を見つめていた。


 通り過ぎた日々  INDEX  此から来る日々


ありづき [HOMEPAGE]

My追加