暁降
あかときくだち:
夜が更けいって、明け方近くになること。

2003年08月13日(水) 「さよなら」 「ごめんね」 「ありがとう」



今日まで毎日は同じものだと、何となく思ってた。



「さよなら」なんて言えなかった。

明日も必ず会えると信じてたワケじゃないけれど、それでも
会えなくなるとは思ってなかった。

伸ばした手が届かずに 指の隙間から 後悔だけが散っていく。

流れる風も たゆたう雲も 全てが消え去っても 最後に見たその絶望は変わらない。

触れあうことなく 空を切り 掴まえること適わず 遠くなる。



「ごめんね」と伝えられない。

いつだって今日と同じ毎日だと信じてたから、当たり前すぎて
いつか言えばいいと思ってた言葉。

喧嘩してたワケじゃないけれど なんだかいつだって 自分勝手で。

もう遠くなってしまったけれど それでも 後悔したいわけじゃない。

滔々と溢れる水も 流々と動く砂も 全てが過去のものとなったとしても、
思い出だけは大切にして。

つかみそこねた指先を 裏切られたと 感じないから どんな一瞬でさえも。



「ありがとう」って笑って言えた?

泣き笑いでも それでも伝えられた?

言えないことよりも 伝えられないことよりも。たった一言
最後に言えた?

その絶望も後悔も 全て過去のものとして 現在を歩いて

囚われることなく 思い出すらも 記憶の底で構わないから、
空を切った 虚しい指先を この胸に抱いて 

言いたかった言葉は 最後に言えたはずだから。



落チテイクソノ時ニアナタノ泣キ顔ヲ見テシマッタカラモウソレガ全テ。


「さよなら」 「ごめんね」 「ありがとう」


追いつめたのはアタシ。 後悔させたのもアタシ。 罪を犯させたのもアタシ。

何も知らずにいたことが最大の罪だった。

どんなに苦しんでいたのか解ろうとしなかった。


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