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2025年11月23日(日) ■
K-BOOKフェスティバル 2025 in Japan『空と風と星の詩人〜尹東柱の生涯〜』

K-BOOKフェスティバル 2025 in Japan『空と風と星の詩人〜尹東柱の生涯〜』@神保町シアター

「外タレ枠はいつ来るか分からんのは10代のころから重々わかってます。行きたいときに行かないと!楽しんできて」と送り出してくれた友人のおかげでリスケ出来ました有難う有難う パク・ジョンミンssiに会えました
『空と風と星の詩人〜尹東柱の生涯〜』上映&トークイベント #kbookfes

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— kai (@flower-lens.bsky.social) Nov 23, 2025 at 20:01

マリス師有難う有難う(どげざ)!!!

10月10日に、こんなお知らせが流れてきました。




パク・ジョンミン? あのパク・ジョンミン? いやいや同姓同名だろう、韓国は苗字の種類が少ないこともあり同姓同名が結構いるらしいし。ファン・ジョンミンという役者もふたりいることだし。上映会に来るひとも、きっと尹東柱の本を出している出版社の方だよね……などとツイートしていたら、のぞこさんから「同一人物です!」と教えて頂き(有難うございます!)大慌て。体調不良につき飛行機に乗れない今、来てくれる機会を逃す手はないんだよ〜!

その後こんな記事が新聞に載る。クオン/チェッコリの金承福さんによるコラム。
・「疎外されたもの」たちのために 出版社立ち上げた韓国の俳優┃モジモジ? Kカルチャー

そうだったのか……寡聞にして存じ上げず。ということは、12月からの舞台『ライフ・オブ・パイ』が役者カムバになるのか? その稽古も大詰めだろう時期に来てくれるとは。映画の舞台挨拶で日本に来てくれないかなーと思ってはいたが、こんな形で実現するとは……。出版社の代表として、『空と風と星の詩人』の出演者として、そして文学を愛する者として。公式初来日です。クオンさん有難う〜! 今回有難うばっかりいっている。

『空と風と星の詩人』は、実在した詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ。一発変換出来る)の物語。韓国カルチャーに触れるようになってから比較的早い時期にこの作品のことは知りましたが、鑑賞の機会に恵まれず、先に唯一の詩集『空と風と星と詩』の邦訳を読んでいました。ようやく観ることが出来た。今作でジョンミンさんは、尹東柱の従兄弟で、共に日本へ留学し、共に投獄され亡くなった宋夢奎(ソン・モンギュ)を演じています。

上映前にトークイベント「宋夢奎を演じてみて」が開催されました。以下おぼえがき。記憶で起こしているのでそのままではありません。話が前後した箇所はひとつにまとめています。ご了承ください。

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・はっきりとは憶えていないのですが、こうして日本のお客さんを前に話すことは初めてだと思います。外国で知られている程有名な俳優ではないのに、こうして呼んで頂いて有難うございます。チケットが売れたので、来ない訳にはいかないと
・帰りの飛行機を28日で取っていたことに気付き、チケットを取り直したりもしていました。28日迄いてもいいかなと思ったのですが、そういう訳にもいかず……28日にまた来て帰ろうかなとも思いました
飛行機が遅れて空港に着いたのが12時、会場入りしたのが14時(MUZEブースに普通にいてサインやら撮影やら応えてくれたそう。居合わせたひとラッキー!)、15時半から30分トークをしてすぐ空港というハードスケジュールだったそうです。ヒィー

・(『空と風と星の詩人』出演の経緯)台本を渡されて興味を持ち、「尹東柱を演じたい」といったら監督に「それはダメ」といわれ……オーディションを受けて宋夢奎役が決まりました
・(役作りについて)宋夢奎は資料が殆ど残っていないんです。なので尹東柱の資料から調べていって、数少ない情報から人物像を想像するしかなかった。少しでも宋夢奎が過ごした場所、見た風景を知りたくて、東京の立教大学に行きました。宋夢奎の留学先じゃないのに。キャンパスを歩いて、校舎に入ろうとしたら警備員さんに止められました。去り難く、門の近くに宋夢奎への手紙を書いて埋めました。宋夢奎の留学先じゃないのに。今もあるかもしれません
・そして、立教大のキャンパスの門前で、(尹東柱と宋夢奎が暮らした)中国の村(明東?)を訪れてみようと思いつきました。でも丁度そのとき春節だったんです。飛行機のエコノミークラスは満席、ホテルも全部満室でした。人生で初めてビジネスクラスに乗り、スイートルームに泊まりました。映画の出演料より高くついたと思います。ここ迄役を追求したのは若かったからでしょうか、もうあんな情熱は持てないかもしれません
立教大に留学したのは尹東柱。宋夢奎は京都帝大。埋めてるとここそ警備員さんに止められそうだが大丈夫だったのね……

・(主演作『얼굴(顔)』について)日本で公開が決まってうれしいです。(今作の監督)ヨン・サンホ監督が、日本で自分の映画が公開されると、“新感染”ってタイトル(邦題)がつくので、今度も“新感染”がつくのかな〜といっていました。ゾンビ出てないのに。『新感染 枠』とかになったりして(韓国語で「얼굴=顔」には「枠」という意味もある(?)そうです)。日本の配給の方も今日来ているので、提案しておきます。どうですか、『新 感染 枠』
日本の配給会社はツイン。『부산행(釜山行き)』に『新 感染 ファイナル・エクスプレス』)とつけた前科があります。続編はGAGAの配給だったけど、前作にツインが「新 感染」ってつけちゃったから『반도(半島)』→『新 感染半島 ファイナル・ステージ』になっちゃったんだよなー(根にもつ)! 『불한당(不汗党)』→『名もなき野良犬の輪舞(ロンド)』ってのもあったな…なんなの……。冗談ぽく話してたけど含みを感じたわ。今度は絶対変な邦題付けないでくれよ

・6日後に開幕の『ライフ・オブ・パイ』は、演劇でもミュージカルでもなくライヴインシアター。「ライヴインシアター」といえ、といわれています(笑)。たいへんな舞台で、このひとは死んでしまうかもしれないと観客に思われてしまうかもしれないくらい一生懸命やっています。僕だけでなく、この作品に関わっている皆も、よいものを作ろうとしています
・観てください、といいたいけれど、遠く迄わざわざ観に来てとはいえないですね。僕がひとりでただ思っているだけで、実現するかは別ですが、『ライフ・オブ・パイ』を日本に持っていければ、上演出来ればいいのになと願っています
実現してほしい(泣)体調よければ現地に観に行ってたよおおお

・韓国でいつも来てくれる人がここにも来てる。こんな遠い、外国に迄……どこ迄来てくれるんだろう。ちょっとずつ遠くに行って、どこ迄来てくれるか試してみようかな
観客席を見渡して真顔で驚いていた。このイヴェントはPeatixのみの発売だったけど、そのシステムもちゃんと調べて登録してチケットをとったんですね。すごい! このあと客席との写真撮影があったんだけど、そのファンの近くに行って一緒に写真に納まっておりました。ファン思い

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貴重な話が沢山聞けたわ……とても穏やかで聡明、という印象。ふらっと来てふらっと帰る佇まい。表情をあまり変えず、感情をあまり表に出さず、淡々と話す。冗談も真顔でいう。読めば伝わると思うが、すごく謙虚。ときどきそれを通り越して自虐的な印象すら持った。くれぐれもお身体おだいじに……。

この日は主に映画の話でしたが、フェス初日に公開された映像インタヴューでは、映画のこと、出版業と俳優業の両立について、読書が演技をする上でどのように役立つかなどなど、じっくりお話しています。アーカイヴうれしい。

・事前収録Interview|初めまして、出版社MUZEの代表パク・ジョンミンです 무제 출판사 박정민대표 특별 인터뷰

うーむ、やはりクレバー。心身ともにおだいじに(再)。

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さて『空と風と星の詩人〜尹東柱の生涯〜』本編。原題『동주(ドンジュ)』、英題『DONGJU;The Portrait of A Poet』、2016年、イ・ジュニク監督作品。『金子文子と朴烈』の監督でもあります。

日帝の蛮行が描かれている作品のせいか、日本での公開は映画祭や小規模上映会のみだったようです。日本語の資料には、尹東柱と宋夢奎は「獄死した」と書かれている。金子文子もそうだったけれど、「何故、どうして」獄死したのかの詳述がない。それが何を意味するか……少ない証言からわかったことは、ふたりとも拷問、人体実験により衰弱死したということ。いくら隠そうとしても、なかったことには出来ないことだ。

作中で宋夢奎は明確な革命と独立の意志を持っていた。尹東柱は彼に憧れていたが、工作活動は行なっていない。創氏改名を強いられ、母語を話すことも書くことも禁じられた。それでも彼は母語で詩を残したかった、詩への情熱は消えなかった──。純粋な言葉を紡いだというだけで、宋夢奎と関わりがあったというだけで、彼は逮捕され投獄された。

全編モノクロームの映像。そのことが、作中の出来事を二度とあってはならない過去のことにしたい、その上で忘れてはならない、と示しているようにも感じる。加害者側の国に生まれた者として、後ろめたい、申し訳ない気持ちになる。少しの救いは、こんな時代にも、彼らに寄り添うひとが日本にいたということ。その詩に感銘を受け、出版に尽力したひとがいたこと。

恐ろしいのは、この映画で描かれていることが過去のことだといいきれなくなってきていることだ。今、日本はあの時代に逆行してはいないか。宋夢奎の「悔しさ」は、また繰り返されるのだろうか。そんなことはあってはならない。尹東柱を支援した大学教授とその教え子の側にいたい。

ジョンミンさんの演技は素晴らしかった。トークが上映前でよかったとも思った。K-BOOKフェスティバル 2025のテーマは「まじわる」。極端な話、この役を演じてなお、ジョンミンさんが日本と交流を持つ意志を示してくれたことに感謝する思いだった。

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・『空と風と星の詩人〜尹東柱の生涯〜』┃
日本のサイト残ってた

・輝国山人の韓国映画 空と風と星の詩人〜尹東柱(ユン・ドンジュ)の生涯〜
いつもお世話になっております。エンドロールで流れる尹東柱と宋夢奎の年表の訳が全部載っている! 有難い! 情報量が多いのでほんのちょっとしか字幕つかなかったんだよー!
キム・イヌが今作でも日本人役(尹東柱を尋問する刑事)。『暗殺』、『お嬢さん』、『金子文子と朴烈』、『工作』……観たものだけでもこれだけ日本人役で出てる。日本語を綺麗に話す方だからでしょう。『輝国山人の韓国映画』は役者のプロフィールも紹介されているのですが(韓国のタレント名鑑といっていい充実ぶり。いつもお世話になっております(再))、それによると在日3世(国籍は韓国)なのだそうです。『金子文子と朴烈』の文子役が素晴らしかったチェ・ヒソも、尹東柱の詩集を出版しようと奔走する日本人女性を演じていました。
観た限りだけど、韓国映画っていわゆる抗日作品でも「寄り添う日本人がいた」ということを零さず描いているものが多い。救われる思いでもある

(20251201追記)
・パク・ジョンミン来日、ユーモア全開で俳優人生の転機語る 来年公開作の邦題も提案┃映画ナタリー
詳細レポ出た。『新感染 顔』、本気にされたら困る。ツインさん絶対つけないでよ!