われ想う
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『寝盗られ宗介』 物語は、東北巡業専門のドサ回り一座が演ずる劇中劇と、 その一座の舞台裏の世界とが、交互に描かれます。
劇中劇。 下剃り宗介(山崎銀之丞)。 銭湯の女湯で女郎の下の毛を剃り整えることを業いにしている卑賎の者。 今日も、下の毛をあたっている。 その宗介の女房、お志摩(横山めぐみ)。 お志摩はかつて歌舞伎役者・辰之助と心中くずれの末、 深川芸者から夜鷹にまで落とされた女。 宗介は、今だ辰之助の影を求めるお志摩を思い、 二人を道行させることで、お志摩への愛を募らせるのだった。 これを演じる一座の座長宗介(山崎銀之丞)と、女房で看板女優(横山めぐみ)は、 この劇をより過激にしたような人生を歩む二人。 宗介は一座の男と女房をくっつけて、その寝盗られ亭主のマゾヒズムに快感を得る。 しかし、女房が駆け落ちにやぶれる先で、必ず一座に戻って来ることで愛を確認していた。 今日もまた懲りずに女房は劇団員のジミー(小川岳男)とかけおちするという。 それを聞いて宗介は、十和田湖の紅葉赤く染まる頃、花巻の実家に帰るから、 その頃には戻ってこいという。そこで籍を入れるから、帰ってこいよと、 かけおちしていく女房へ告げる。「帰ってこないよ」。 そんな女房の言葉を聞き流し、一座は女房とジミーを欠いたまま巡業へ。 女房不在の舞台に上るのはすず子(吉野紗香)であった。そして、一行は十和田へと。 幕が開き、やがてフィナーレに向かおうというその時になって、戻ってきたのはジミー。 女房の姿が見あたらない。「さっ、出てきやがれ」。 宗介の差し伸べた指の先、スポットの中に、女房は戻って来ているのだろうか・・・。
という舞台でした。本日千秋楽。 劇中劇も合わせて3つのストーリーが交錯するので、最初はちょっとオタオタ。 でも、私が観に行ったのは7日、いい具合にこなれてきている頃なので、 ちょっとした場面でアドリブが入ったり、銀ちゃんが本気で吹き出してしまったり、 台本や設定はきっちりとあるけれど、その場の空気や出演者の信頼に基づいて 発展していくことができる舞台は、やっぱ観ていておもしろい。
サザンシアターの11列目、一番左端。この席、いいです。 特に、今回の銀ちゃんの立ち位置は下手が多かったので、なお良かったです(腐)。
ずっと好きで見続けている常連サンや、観劇歴の長い人たちの中には、 「この日よりもあっちが良かった!」だとかあるのかもしれないが、 私は、この瞬間の宗介を観ることができて良かったと思う。
汗がね、飛び散ったり、したたり落ちたりするのが見えるの。 座るときに着流しの裾をピッと引っ張る音が、聞こえるんだよ。 やっぱ「生」って、凄い威力だ。
劇中、宗介がすず子に言う台詞で、 「TVはな、黙って立ってても雨も風も吹く。 雨を降らせてくれる人がいる、風を吹かしてくれる人がいるんだよ。 でも、舞台は違う。あいつは、台詞ひとつで雨が降り、風が吹くんだ」 ってのがあって。 何か、これが「生モノ」の最大の魅力なぁ・・・などと、初心者ながら感動致しました。
今回は演出も銀ちゃんです。初演出。 比べる対象を持っていないので、よぉわからんのですが(失笑)、 良かったんではないのかしらん。 だって、観てる私、少なくとも私は、見終わって元気を貰ったし、心がホカッとした。 心から「ありがとう。来て良かったー」って思えた。これで合格、じゃ駄目っすか。
台詞のひとつひとつも、何だか「クスクス」って感じでした。 「何よっ。餅をついたような性格のくせにっ」って怒鳴られたり、 ジミーから「座長の顔立ちのように、こってりしています」とか言われてたり、 ちちくりあってる奥に向かって、 「そんなだから週刊誌にいろいろ書かれんだろ!!」って吐き捨ててみたり(爆)。
女優さん2人が、もうちょっと、もうちょっとだけ頑張ってくれれば、 尚のこと良かったかなぁ・・・とも、思いますが、でも再演希望です。
銀ちゃん。 んもー、大好きっすよ。素敵過ぎます。今すぐ嫁に突撃嫁ぎたいです。 着流しから半纏から浴衣から、黒タキシードまで。VIVAっ。 殺陣姿なんざ、思わず口開けて見入ってしまいました。 見栄を切るところも、素敵。声の張りが違う。 ほんとね、舞台畑の人のあの声量。凄いですよ。会場の空気がビンビンする。 吉野紗香もエラい化けようでした。 某深夜番組でNOISYに向かって 「イルカちゃんやって★」なんてホザいていたのが、夢幻のようです。
まだまだ甘ちゃんだけど、舞台もっと観たい。 もっともっとたくさんの「生の力」に触れてみたいです。 銀ちゃんの舞台も、もっと観たい。 銀ちゃんを福岡から引っ張り出した舞台の魅力を、まだまだ思い知りたいっすよ。
お疲れさまでした。また会いましょう。
6日には須賀くんが、楽日には谷原さんが来ていた模様。うひぃ。
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