2003年12月02日(火) |
元ハンセン病患者の宿泊拒否事件に思う。 |
燃え尽きました・・・・・・☆ 年末調整、なんとか終了です。本社へ送る直前になって未提出の人が見つかったり、それを探している間に別の未提出書類(既に締め切りははるかに超過しているもの)が見つかって脱力したりしながらも、なんとか揃えて発送の手配。
ちょうどまた宿直室でプチ宴会が開催されていたのでちょいと参加して帰りました。
そんな残業中に次郎くんからTEL。土日は友達と温泉1泊旅行なので、その前に会いたいよ〜と昨日メールしておいたのです。明日デート決定♪
帰ってから、その温泉企画のメンバーの1人Mママ宅へ。集合時間なんかは決まってるものの、もうちょっと細かく決めておいた方がいいよね、とガイドブック片手に大検討会。
チビ1号(3歳)と2号(1歳)がしょっぱなからはしゃぎまくりで全然話ができません(笑)『ガオレンジャー』のビデオに付きあわされて、 「え!?ガオレンジャーって6人いるの?」 とか言いながら隙を見てガイドブックをチェック。(なんか、基本の5人とは別に、たまに現れる助っ人みたいな感じでガオシルバーっていうのがいたんですよ)
やっとチビ1号&2号が寝て落ち着いて話ができるようになったのはもうやがて12時に近づく頃(**; それからどこに寄るとか、どういう順番で行くとか相談してたら1時半だよ(‐‐;
途中のニュースで、黒川温泉の某ホテル(まぁ散々報道されてますからいまさら”某”とか言う必要もないですけど)が、元ハンセン病患者の宿泊拒否した事件のその後を報じていました。
ホテルの本社側が 「利用客が元患者である事をギリギリまで隠していた熊本県の責任だ」 という信じ難いコメントを出して顰蹙をかっています。
ハンセン病という病気は、全国的な知名度はどうなんですかね?私は”地元”と言ったらなんかちょっと印象が違うけど、とにかくそのハンセン病の差別が実際に行なわれてきた土地に住んでいるし、大学では福祉関係を学んでいましたから、それなりに知識はあるつもりです。病気そのものに関してはさほど詳しくないけど、患者の皆さんが迫害されてきた歴史、『らい予防法』が廃止になって元患者の方達の人権擁護活動が盛んになっていくのをリアルタイムで見ていました。(※「らい」というのはハンセン病の旧名称です)
そういう流れで見ると、今回の宿泊拒否事件はあってはならない事だったと思うし、ご当地である熊本だからこそこんなに大騒ぎになったのだと思います。
私の周りでは 「宿泊拒否したこと自体よりも、その後の対応で失敗したよねぇ」 という意見をよく聞きます。ホテル側が、ハンセン病に関してよく知らなかったために宿泊を拒否してしまったのは300歩ぐらい譲ってまぁしょうがないとしましょう。でも、ホテル側はそこで素直に謝罪するべきだった、と。
最初は妙に強気で、 「これは企業としての見解です。どう言われても構いません」 と言っていたかと思えば、騒ぎが大きくなった途端に 「ハンセン病に関する知識が足りなかったために、元患者の皆様には申し訳ない事をしました。私(熊本支店社長)個人の判断でした」 とコメントを出し、謝罪申し入れの現場には本社スタッフは来ない。
そうした一連の対応の一貫性のなさがホテル側に対する不信感を生み、元患者の方達は謝罪申し入れ拒否という対応に出ました。
そこへ更に冒頭の 「元患者という事実を隠していた県の責任だ」 という発言です。
熊本県・潮谷知事は、 「もう完治している”元”患者の方達。10年前に結核にかかって完治した人がわざわざ過去に結核患者だった事を申告するべきだと考える人がいるだろうか。ハンセン病にかかっていた事を申告しなければならないという考え方自体が差別に基づいており、納得できるものではない。」 と毅然とした対処をしてくれました。
今回の一件で、そのホテルは黒川温泉組合を除名になりました。今後、黒川温泉のHPからは削除され、黒川名物『入湯手形』(これを買っておけば、黒川のどの温泉でも好きな所3ヶ所に入浴できる、という物)の利用対象からもはずされるのだそうです。
”黒川”のブランドイメージを考えると、無知だった、と一言で言ってしまうにはあまりにも大きい代償だったのではないでしょうか。
ちなみに今回の件で潮谷知事がホテル名を公表した事について、「そのホテルの今後のために匿名にするべきだったのではないか」との意見もあったそうです。
確かに、以前県内で老人施設での食中毒事故があった時には、その施設の今後の運営のために匿名での報道でした。でも私は、今回は公表した知事の判断を正しいと思います。
ハンセン病患者差別の地元である熊本だからこそ、今回のような事件では積極的に声を上げていくべきだと思うのです。ハンセン病を詳しく知らない人にまで中途半端に「へ〜差別されちゃうような病気なんだ?」と思われないために。
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