霞的迷想
泣きたいくらい綺麗な花火なんてどれくらいぶりで見ただろうとてもびっくりして、そして立ち尽くしてしまった。雨が降ってるのに傘もささないで。息が止まる。呼吸を忘れるくらい食い入るようにただ空を見上げる。本当に泣き出さなかったのが不思議なくらいだ。誰も知ってる人がいないから、周りを気にしないでいられるはずなのに。泣いたりはしなかった。