すず子さんのボヤキ。
モクジ|カコ|ミライ
2005年04月21日(木) |
宴のあと・・・その3 |
「すず太郎、出張で金曜日、車で東京来てて、 それで今日、一緒に乗せてもらってきたの」
「うん、それは知ってるよ」 「で?金曜日、会ったんでしょ?で、で???」
「・・・居酒屋行こうと思ったらさ、すず太郎、仕事終わったの11時でさ」
「それで?」
「・・・しょーがないから、ウチで飲んだの」
「・・・。『しょーがないから』、ねぇ。。。」 「で、タロちゃん、そのまま泊まったの?」
「そうそう、すずこが泊まっていいって。 ベッドに寝せてくれたんだよねぇ〜」 すず太郎、今度はすずこさんのパンチを見事に防御。
「オレさ、良く知らないんだけど、 タロちゃんとすずちゃんは、 付き合ってるわけじゃないんだよね?」 旦那サマが腑に落ちない様子で聞いてくる。
「学生のころはタロちゃん、フラれっぱなしだったもんねぇ?」 サツキも同調する。
「ところがどっこい、そうでもないんだな〜 あの頃は若気の至りっていうもんもあったりしたんだよ、実は」 すず太郎が思わせぶりな口調で語る。
「っつーか、今もあんまり変わってないみたいだけど」 と、すずこさんを見ながら付け足す。
へ?!
すずこさん、状況をちょっと理解できず。
「わかんないよぉ、すずこ。ちゃんと話して!全部。」
「・・・サツキさぁ〜、すず太郎に余計なこと吹き込んだでしょ?」
「え?何のこと??」
「すずこはね、レンアイしてないらしいよ」 今度はすずこさんの蹴りがすず太郎のすねにミゴト炸裂。
「あら・・・!そうだったんだ」
「だからさ、オレも知らずに地雷踏んじゃったわけ。 『恋してるんだって?』ってさ。 そしたら、切れやがったの、コイツ」
はぁ〜っ・・・。 すずこさん、大きくため息ひとつして。
「すきっ腹にお酒結構飲んでてさ、 すず太郎殴ったら 涙は出てくるわ 頭は痛いわで、どうでも良くなっちゃって、 布団出すのめんどくさいから そのままベッドで寝ちゃったの!」
「・・・すずちゃんって、お酒飲むとそうなるんだ」 なぜか旦那サマはニコニコ・・・。
「でもね、何にもありませんから!!」
はぁ〜っ・・・。 今度はすず太郎がため息。
「すずこの記憶はそこで終了してんだ?」
「・・・え?」
「もう、暴露大会でいいよね〜?俺らだけだし。」 すず太郎、すずこさんをチラッと見ながら。
「オレもさ、ちょっと悪いこと言っちゃったな〜と 反省して布団に入ったわけさ。 で、コイツが『どけ』とかいうから大人しく 端っこでちぢこまってたんだよ。 そしたら、しばらくしてすずこから抱きついてきたんだよ。」
「うそっ?!」
「理性保つの必死になってたオレの苦悩を考えてよ 被害者はむしろオレだよなぁ・・・」
「そりゃそーだな、タロちゃん」 旦那サマ、激しく同意。
「すずこ〜。マジなの??」
「・・・。私が聞きたいぐらいだよ。 起きたらすず太郎が抱きついてたし。」 すずこさん、かなりテンション低し。
「タロちゃん、大人だねぇ。。。 これが若造だったら、何にもないじゃ、済まされないよな〜」
「そう思うでしょ? でもね、あったの!その『若造』時代にも!!」
「・・・すず太郎、そこまで暴露しなくてもいいから」 すずちゃん、ノックアウト寸前です。
「あ、それはね、私も知ってる。倉田先輩のときでしょ?」 お構いなしのサツキ。
・・・大学時代、すずこさんは倉田先輩って言う大好きな 先輩がいたのでした。 しょっちゅう一緒に遊んでて、旅行にも行ったし 誕生日パーティを開いてもらったりもしたし、 倉田先輩が卒業してからも、よく集まって飲んで遊んでました。 でもそれは、いつも「みんなと一緒に」で、 気づいたら倉田先輩にはカワイイ彼女が出来てました。 そんな時、すずこさん、同じサークルの子に告白され・・・
「あの頃はその子と付き合うなんて全然考えてなくて ちゃんと断ったんだけどさ、 『みんなで俺の家で飲もう』って連絡来たから 行ってみたら誰もいなくて、ゴハン食べ終わっても いつまでたっても誰も来なくてさ、 そしたら、『今日は泊まっていけよ』とか言い出して、 もう、最悪だったんだよ。 『イヤだ!帰る〜っ!!!』って言って 逃げるように帰ってきて、すず太郎んちで飲み直したの」
「そこでやっぱりタロちゃんなんだ」 旦那サマが笑う。
「あのときは怒り狂ってたよな〜。ガンガン飲んでさ、 結局俺んちで寝やがった。 で、『すずたろ〜』とか言って抱きついてきたんだよ。 先輩のことやらソイツのことやら一部始終聞いてたらさ、 さすがに何にもする気になれなかったよ。 案の定、次の日何にも覚えてなかったし。」
「・・・ハイハイ。そのせつは大変お世話になりました。」
「すずこ、恋愛と酒が入ると人が変わるよねぇ。。。 普段は全然そんなことないのに。」
「この2回だけなんだけど・・・」
「その2回とも、俺が被害者なんですけど・・・」
「なんだ、じゃぁ、2人でくっついちゃえばいいじゃん」
ここで、すずこさん、それは否定したんだけど。 でもねぇ。。。 私も、そこはどうなのよ?・・・って思うんだけどなぁ。
だってさ、サツキと旦那サマとすず太郎は知らないけど、 こんなタイトルつけてるもんねぇ。。。
ま、この件はいずれ、すずこさんに ちゃんと語ってもらわないとね。
私の役目はとりあえずここまで、かな。
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