モリハルゆ記

2004年08月10日(火) 女医さん

 ドアが開くといきなりアノ女医さんと目が合った。《注:女医さんとのなれそめは昨日の“モリハル日記”参照方》

 「1年ぶりね。私との約束は守った?」かなり心電図が乱れたと思う。「エ〜っとですね。まぁイロイロありまして。」「約束は守ったの?」「去年の秋、再婚したり、この前叔父さん亡くなったりと冠婚葬祭が続いたんで・・・」「守ってないの?」「・・・」女医さんはカルテを見ながら言った。「コレステロール控えて、習慣的に運動して、5kg痩せる。私との約束、できてないの?」血圧上がって、胃に穴が2〜3個あいたと思う。「・・・1.5kg増えました・・・」カルテから目を離さずにキッパリ言い切った。「プラス6.5kgね。じゃあ、お仕置きは6分30秒ね。」引き出しから手術用のゴム手袋を取りだした。「おっ・お仕置きって何なんですか・・・」ゴム手袋を装着しながら応えた。「直腸触診!」「エッ・エ〜ッ!」という私の声は、女医さんが閉じたカーテン音に消されてしまった・・・

 私の周りに最近、直腸触診をやった人が二人いる。一人はとっても可愛い女性だ。この前我家に遊びに来たとき、アッケラカンと言った。「渡されたパンツ、肛門のところに穴が開いているの。」もう一人は叔父さんの葬式の時会った、従兄弟の旦那さん。「私の、40年の人生の中で、一番屈辱的でしたね。」二人の評価が随分違う。私の周りの少ない事例で判断すると、可愛い女性にとってソレは大したことなく、いい歳したオッチャンにとっては屈辱的なことみたいだ。

 屈辱的と言えば、大学時代やってたバイトの先輩が岩手県警に採用された後、私に言った言葉がある。「森よぉ。俺はこの前屈辱的なコトをされたよ。」「なんですか?」「警察の最終試験、健康診断の時、自分の肛門に指入れられたよ。肛門にナンカあると警官になれないんだとさ。」「・・・」「あんな屈辱的なことはないな。」その先輩は酒に酔うと、飲み屋の看板叩き割ったり、山手線の窓ガラス叩き割ったりする、かなり暴力的な人でした。

 暴力的と言えば、その先輩の先輩はもっと強烈な人でした。「森よぉ。この前、ウチに新聞の勧誘が来たんだよ。」「ウチも来ますけど、勧誘って結構しつこいですよね。」「そうなんだよ。そいつもしつこくてよ、俺カチンときたら、そいつ目の前にいないんだよ。」「エっ?」「俺の足元に倒れてやんの。俺、気付かないウチに殴っちゃったみたいだな。」その大先輩は教職に就きました。

 その両先輩の後輩、私と同期で今でも付き合っている奴だけど、そいつがある時、バイトを二日連続無断欠勤した。三日目に出てきたとき私は言った。「どうしたんだよ。休む時は連絡入れろよ。」「森、悪いな。一昨日ちょっとあってさ。」「何が?」「高円寺で目が合っちゃってさ。そいつとイザコザしてたら、その連れがいきなり回し蹴りしてきて、気が付いたら俺とダチは道にのびてたんだよ。」「で、昨日は?」「ああ、ダチと高円寺の駅前でずう〜っと張っててさ、イザコザあった奴待ってたんだよ。」「で?」「来た、来た、一人でさ。空手家はいなかったからさ、もうダチとボコボコよ。」三日目はさらに報復を受けなかったみたいだった。まあ、私の周りの少ない事例で判断すると、岩手県人はかなり暴力的だね。

 話しは元に戻るが、今回の健康診断、結局私はその女医さんに問診を受けなかった。突然ドアが開いた時、確かに目は合った。網膜までツンと届く鋭い視線をいただいたが、私が問診の順番呼ばれた時は、隣の男医さんだった。「心電図良し!血圧も良し!全然問題ないですね。」去年以前のコトも書かれたカルテを見ながら男医さんが私に言った。

 自分にとってどっちが良かったのだろう?屈辱的なお仕置きをされるかもしれんが、厳しく言ってくれるお医者さんの方がいいのかな?屈辱的なことされたとしても、私が可愛かったらアッケラカンと話せることかもしれないしね。来年ひょっとしたら女医さんに巡り会うかもしれないから、また『ダイエット』するかな!

 明日から3日間夏休みなんで、本日はちょっと長編でした。


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