twilight shackles
枷夜(かや)



 ずっと、判っていた...

なんども、行ったり来たりして
やっと、帰ってきた場所...

けれど...「あの場所」に戻るのは
とても、とても...
遠い先のことだと思っていました






朝から、ご主人様とメールをしました
昨晩...寝る前にちょうどご主人様が
起きる時間に合わせて
「おはようございます、今日も一日、がんばってください」
という他愛もないメールを送信してその日は早く休んだのです

朝、目覚めると
「おはよう」
と返事があって...なんだか嬉しくなりました

他愛もないメールでもこんなにも嬉しい...
忘れていたのかもしれない...この「喜び」を

本当は、ひとりが不安で仕方ない...
あまり自分の不安や思いを表に出さないから
それが自分の内側に溜まっていって苦しくなる

ご主人様は、私に代わらずメールの向こう側で
やさしく、話してくださった。
私のしていることが勝手でわがままで...
それでも、怒っていない...私が気づいたことが嬉しいと

私は、自分のしてきたことが、切なくなってきました


 あたし...気付いたの


 あなたから、離れられない...
 忘れるなんて...出来ない...って...

 あたしが奴隷でいることを捨てられない...
 あなたという主人の手から離れられない...

 ...

メールで返ってきた言葉は、私にとって救いでした

 ずっと判っていたよ、私は...。

 だから、待っていた。




 今日は帰る。

 また明日な。





 私の...枷夜。









また、私はあの人のことを「ご主人様」と
呼ぶ事が出来るんだ...


2002年10月01日(火)
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