twilight shackles
枷夜(かや)



 寒空の下で:1

昨日のことがあって、私は一日考えていました
今日は朝から出かけます
出かけ先ではずっと昨日のメッセンジャーの
会話を印刷したものを読みつづけていました

けれど、明確な答えを導き出せるほど
自分の中で言葉が見つかりませんでした

思いつかないまま、夕方になり
私は最寄駅に着きました。時間は夜6時前...
今日はご主人様は早く上がられる日のはず...
けれどお願いをしても会えないかもしれないし、
会っていただけないかもしれない...

「待ってみよう...」

例えれば忠犬ハチ公(笑)みたいに
主が来るのを、ひたすら待ってみよう...
そう思い立ったのです。
自分で時間を決めた、一時間...
ご主人様に会えれば嬉しい...
会えなくても待てた事を心から喜べるはず...
屋内で待つのは簡単...だから、屋外の。
自動販売機の前にあるイスに座って待っていたのです

これは自分に対しての賭け、でもありました
寒さに負けるようでは、意志が弱いんだと
自分に、言い聞かせました

会えればいいと思っていました
何か...答えが出るかもしれない、と思ったのです
その場で会えればそれでよかったし...
電話の向こうや、メールの言葉の向こうではなく
ただ、会えたら...それでいいと思ってました

待とうと思ったとき、ご主人様にメールしました
自動販売機の前で、一時間待ってます、と

そこからは寒さとの戦いでした
気温は氷点下前後を彷徨っていました
日は暮れて寒さは増すばかりです
そんな日に限って、粗い目のニットにロングコート...
隙間から冷たい空気が入り、蹲りながら待っています
スカートじゃなくって良かった...と心から思いました
携帯電話を取り出し、時間を確認しつつ
時間は刻一刻と過ぎていきます

2003年01月29日(水)
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