10代の時にすごく大好きな人がいた。
彼は親族のように私に優しさをたくさんくれた。 音楽のことも色々と教えてくれた。今の私の音楽の嗜好は彼の影響がかなりある。 住んでいる場所が離れていて距離があった。 今みたいに携帯のない時代だったからコミュニケーション手段は電話か手紙だった。
手紙は多分毎週書いてたと思う。 私の中学高校時代は本当にしんどくて学校が大嫌いだった。 高校の時のクラスに女番長みたいな子がいて、時々不機嫌になって周りに当たり散らしてた。 何か彼女の地雷を踏むとずっと無視されたり意地悪を言われたり、関係のない周りの子もそれの同調してた。 今の私だったら立ち向かっていただろうけど、当時の私は逃げることしかできなかった。 高校3年の後半はほとんど学校に行けなかった。 だから、勉強と音楽の世界に没頭してた。 そんな時に私の色んな気持ちを受け止めてくれたのは、親でも身近な友達でもなく彼だった。
恋愛というよりもお兄さんのような存在だった。
私が大学生になってからは、親に隠れて電話でよく話をした。 距離があった分、恐ろしい電話代の請求が来て、母にいつも長電話を怒られた。 私の21歳の誕生日には21本の薔薇の花束を贈ってくれた。
母は彼との交際に全力で反対だった。 価値観が違うから将来一緒になっても絶対に幸せになれない。と 当時はそんな母にも反発したりしたけど、今の私が母の立場で娘が私の立場だったら やはり同じ事を言ったと思う。
最後に会った時に私からごめんなさいを言ってお別れした。
もう30年以上前の話なのに、今年になってやたらと夢の中に彼が出てくる。 目が覚めてもしっかりと記憶に残ってる夢。 その度に大瀧詠一のLong Vacationが頭の中でぐるぐると回りだす。 あのアルバムを教えてくれたのは彼だった。
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