せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2002年01月25日(金) 絶対王様「女海賊悦子」

 シアタートップスで絶対王様の「女海賊悦子」を見る。
 細川くんとフッチーと並びの指定席。客席にイワイワを発見。
 以下、ちょっと「ネタバレ」系なので、これから見にいく人は読まない方がいいかも。
 今回は、宇宙船を舞台にした「宇宙モノ」。
 開演前から、ちっとも宇宙っぽくないセットに感動。こういう「外し方」はとっても素敵だ。
 オープニングのCGで「この宇宙船は光の速さで移動しています」って言われるんだけども、その「大嘘」なかんじもすばらしい。
 ホルストの「惑星」の「木星」がさまざまなアレンジで流れる演出も好き。
 「女海賊悦子」というのがラジオドラマのタイトルで、実はそのモデルだった悦子が登場してという入れ子なかんじもとっても僕好みだ。
 お話は、きっとこうなるんだろうな……という想像が、どんどん「悪い方に悪い方」に展開していくかんじ。
 前半のおかしさと軽さが一気に重く切なくなっていく後半は、ほんとドキドキする。
 かなり先が読めるんだけど、それでも、ハラハラするのは、役者さんたちが、ちゃんと生きてるからだと思う。
 特に、大使として派遣される二人の心細さとか、二人を心配する同僚とか。
 役者さんたちはみんなとっても素晴らしい。
 アナウンサー三宅の座右の銘「怒ると逆のことになっちゃうよ」と悦子「怒りたいから怒る」のという二つの論理の対立が、このお芝居を動かしてるんだけど、物語は、その上の方をさらさら流れていく。
 とっても重たいものごとを登場人物みんなが「持て余してしまってる」かんじが、とってもリアルだ。
 どっちが正しいって決めるんじゃなくって、みんなどうしていいかわからない。
 そんな、どうしていいかわからないんだけど、でも、どうにかしたいと思ってる人たちがとってもいとおしく感じられた。
 一見、なげやりな芝居の作り方っぽいけど、「そこでやめておく」かんじ、「宙ぶらりんなまんまほうっておく」かんじ、「どっちが正しいなんて決められないよ」って困りながら開き直ってるかんじが、この集団がみんなに愛されてる理由なんじゃないかしらと、ふと思った。
 ピクルス星人役の郡司くんはとことん「粗末に扱われてて」とってもおいしい役どころ。
 「何かって何だよ!」と怒鳴る森川くんのまっすぐさが、この舞台を支えている。
 今回、アクのかけらもない好青年ぶりの加治木くんは、いつもと違うかわいらしさだね。
 川崎桜さんの「何もしないかんじ」が伝える迫力は、映画を見ているみたいに、なんて大きいんだろうか。
 すっかりファンになってしまってる「はえぎわ」の井内ミワクさんも、いい味だった。

 終演後、みなさんにご挨拶。
 その後、郡司くん、森川くん、イワイワとタックスノットへ。
 金曜のマサルくんと楽しくおしゃべり。
 ウスイさんがいらして、「Trick」のフライヤーを渡し、芝居の話を延々と。
 「Trick」の話も盛りだくさん。
 その後、タックさん、ウスイさん、こたくん、コバくんと5人で、富久町デニーズ、通称「ニチョデニ」へ。
 ここでも、芝居の話をたくさんする。
 うちで1人で考えてるより、人と話してる方がたくさんのアイデアが浮かんでくる。
 「Trick」がまたおもしろくなりそうだ。


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