せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2002年01月26日(土) マイケル・ナーヴァ「秘められた掟」 フライングステージ稽古

 創元推理文庫の新刊、マイケル・ナーヴァ作、柿沼瑛子訳の「秘められた掟」を読了。
 ヒスパニック系のゲイの弁護士ヘンリー・リオスが事件を解決するシリーズの第4弾。
 「このささやかな眠り」「ゴールデンボーイ」「喪われた故郷」とだんだんハードボイルド色が薄まってきてる。
 事件自体もゲイがらみっていうよりも、人種差別や家庭内暴力の話がメイン。
 なので、僕としては、エイズを発症しているリオスのパートナー、ジョシュとリオスの関係の変化みたいなものの方が、読んでておもしろかった。
 それにしても、この本がアメリカで発表されたのは1992年。
 どうしてこんなに時間がかかっちゃったのかしら?
 もっとリアルタイムで読めるとうれしいんだけどね。
 柿沼さんの訳は、とっても読みやすくていいかんじ。
 ゲイが活躍するミステリーでは、ハヤカワのポケミスで発売されてる、ジョン・モーガン・ウィルソンの「ジャスティス」シリーズが、僕は大好きだ。
 「夜の片隅で」「虚飾の果てに」の2冊が出てるけど、どっちもおすすめ。
 特に「虚飾の果てに」は、ハリウッドを舞台にしたお話。
 芝居に関わってたりすると、これはかなりジーンとできるはず。
 特に、ラストの1行が、僕にはたまらない!

 夜は、フライングステージの稽古。
 久しぶりなキッちゃんとヨシオもやってきて、にぎやかな大人数。
 こないだの続きで、2人組での「かもめ」をやってみる。
 初見のキッちゃんとヨシオが、それぞれ、いい味を出してる。
 早瀬くんとマッスー組、ヨシオとトシくん(水月アキラ)の組、ホソちゃん(細川くん改めね)とキッちゃんに僕が加わった組の3組の発表会。
 同じテキストなんだけど、全然違うものができあがる。
 ヨシオとトシくんが二人並んで椅子に座って正面を向いて「勝手に」しゃべってるかんじが、とってもチェーホフっぽくておもしろかった。
 退屈な時間をおしゃべりで埋めてるかんじ、話を聞かされてしまってるかんじ、そんなものが見えてくると、話されてる内容自体がどんどん空虚に思えてきて。
 夕方から、外は雪。
 なんとなくウキウキしてたんだけど、稽古場を後にするころには雨模様に。ちょっとがっかりかな。


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