せきねしんいちの観劇&稽古日記
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活字がとっても恋しくて、手当たり次第に本を読んでいる。 ついこの間までは、何を見ても、文字が目に入ってこなかった。 移動の間や、夜寝る前に本を開くのは、ほんとに久し振りだ。 ここ数日で読んだのは、大笹吉雄「女優・杉村春子」、白洲正子「お能/老木の花」、幸田文「流れる」、藤沢周平「橋ものがたり」。 って並べてみたら、あまり「手当たり次第」ってかんじじゃないですね。 かなり偏ってる気が……。 白洲正子と幸田文の文章は、僕にとっての「リハビリ」だ。 すっきりとした文体が、何かを洗い流してくれるような気がする。 もっと重症で追い詰まってるときには、「樋口一葉」が有効だったりする。 白洲正子も幸田文も樋口一葉も、みんな現代の文章の簡潔さと文法的なきちんとしたかんじとは、ある種遠い文体の持ち主だ。 「文体」というよりは、「語り口」の自由闊達さが僕をいやしてくれるのかもしれない。 成瀬巳喜男の「流れる」を見ようと思ってツタヤに行ったのだけれど、見つからない。 こんなふうに「次から次に」興味がつながっていくのも、久し振り。
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