せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2002年09月28日(土) |
マクドナルド 「HAPPY END」稽古 「修羅の旅して」 |
昼間、マクドナルドの本社で、お店のスタッフのミーティングに参加。 というか、「アイコンタクト」について、レクチャーをしてくる。 今年の3月にも一度行って、そのときは「スマイル」について話してきた。 古い友人の浅野くんが今、マクドナルドにつとめている関係で呼ばれている。 レクチャーといっても、たいしたことはない。 50人ほどの若い人たち(!)を相手に、コミュニケーションのノウハウとして、アイコンタクトについて話す。 途中から、実践をしてもらうことに。 フライングステージのトレーニングでやっている、拍手を回すゲームのバリエーションの「数を数えるゲーム」を、1つのテーブルの6人ほどのチームでやってもらう。1から10まで、相手を指さしながら。 次に、指をささないで、ただ、声とアイコンタクトのみでやってもらう。 最後には、カウントする声もなくして、ただ、アイコンタクトのみで。 1から10まで数えてもらったのを、「どこまでいけるか?」というのをチーム対抗で。 10ごとに声を出していいというルールでなかなか盛り上がる。 普段はなかなか意識しないアイコンタクト。 日本では、目を見て話すということが失礼だというふうにずっと思われていたという話や、それでも、コミュニケーションのためには、非常に大事なものだということ、バレーボールやバスケットのパスのときは、必ず相手を見るよね、だから、言葉をやりとりするときにもちゃんとアイコンタクトをしてみようなどという、僕の話を、参加した若い彼らは一生懸命聞いてくれてた。 僕のコーナーは、今日のミーティングの中の最後のパートだったんだけど、その前と後で彼らの顔がとってもいきいきと変わってきたのが、印象的で、うれしかったな。
7時から稽古。 今日もトレーニング中心。 基礎トレの後、2人組でマッサージと粘土のエチュード。 まっすぐに立ったまま動けない「粘土」役を、もう一人が動かして、床に寝かせる。 で、今度は、もう一度立ち上がらせる。 粘土役は、相手の「したいと思うこと」を受け入れて、そのまんま動く。 もちろん動かす方も、無理な動きは作れないから、粘土役の気持ち(?)を考え、受け入れながら動かしていく。 言葉はいっさい使わない、このエチュードは、ほんとにひさしぶりに、人とふれあってるような気にさせてくれる。まあ、実際そうなんだけどね(笑)。 僕の相手は、まっすー。 このチームは、初めてだよねなどとおしゃべりをしながら、やってみる。 そういえば、まっすーは、最近パソコンを買ったのだそう。 インターネットの接続がうまくいかなくて、苦労しているみたい。 最後に、いつもの「お話聞かせて」のアレンジ版。「今日起きたら……」というのをやってみる。 みんなで、一人の主人公の一日を語り継いでいく。 話が進んでいるのか、進まないでふくらんでいるのかを意識しながら、やってみようと話す。 一番の課題は、前の人が作った設定を絶対に否定しないこと。 今日は、いつの間にか、一日の中に、郡司君が登場してきて、ドラマチックな物語が妙にリアルになっておもしろかった。 終わってから、説明が足りなかったことがなかったかどうか等々、振り返ってみる。 その場その場の自分のパートだけじゃなくて、全体を見る視点が必要なんだね。
夜中、NHKでやってたドラマ「修羅の旅して」を見てしまう。 早坂暁シナリオで、岸恵子主演。 今から24年前のドラマ。 とんでもなくよかった。 戦後(といっても60年代)GIに強姦されてしまった主人公(岸恵子)が、16年ぶりに、結婚相手(岸辺一徳)と、青森の実家に帰ってくるお話。 やっぱり岸恵子はいいわ。 主人公は、周囲の反対を押し切って、裁判を起こして、夫とも離婚(結婚してたのね)、裁判の途中に妊娠してることがわかって、「誰の子かわからないまま」出産。 子供は、夫の子供だったんだけど、その子を自分の実家でひきとってもらって、自分は一人で生きていくうちに、自分を強姦したGI(黒人)と結婚して渡米する。でも、その相手もベトナム戦争で死んでしまって……という、もうむちゃくちゃ波乱万丈なストーリー。 それが、岸恵子という人の生き方、「自分を曲げない」というか、いつも自分っていうものがちゃんとある強さと重なって、それはそれは見事だった。 テレビドラマでは一番好きと、彼女自身もインタビューで語ってたけど、ほんとにそう思う。 見事なドラマだった。
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