せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2003年05月31日(土) ラ・カンパニー・アン「犬の恋」 トレーニング

 下北沢の本多スタジオにラ・カンパニー・アン公演「犬の恋」を見に行く。
 すっごい雨が降ってる中、当日券の列に並ぶ。これ自体がイベントっぽくておもしろかった。
 劇中で西山水木さんが演じてる「雨女」にもかぶる気がして。
 去年やっぱりここで上演された「ねむれないよるのうた」とおなじように、九州の言葉がとってもいい味を出してる。
 ここの舞台を見ていつも思うのは、「女」の強さというものだ。
 生む性である女性の強さとしたたかさと、弱さと、ずるさと、そんなものいっさいが、ぽーんと投げ出されてる。そんな気がする。
 「犬の恋」というタイトルで、永井秀樹さんが演じる犬の恋がつづられるのかと思ったら、はぐらかされて、いろんな恋の形がめくるめくように登場する。
 永井さんは、今まで見たことのない素朴な役でびっくり。
 生まれ変わる前の犬として、明樹さんにじゃれついてる姿(お腹を上に向けてね)が、なんだかセクシーというか、かわいかった。当たり前の犬の動作なんだけど、まんま人がやるとこんなに「エッチ」なのねってかんじ。
 さりげない始まり方とそれぞれの役者さんの力の強さは、今回もとてもみものだった。
 同じ舞台の中で、とってもカジュアルな顔を見せる時間と、とっても真剣な、すさまじい時間を一緒に生きてるのがおもしろかったな。
 西山水木さんが、北沢二丁目の踏切をつくりだすのがすごかった。あと、犬のように吠えるのも。
 前回も思ったけど、この人は、ほんとに空気にとろみをつける力があると思う。それと「業の深さ」も天下一品だ。
 物語になりそうなところを、どんどんはずしていって、あちこち、物足りないところはあるんだけども(もっと「犬」の恋「ばっかり」を見たかったとかね)、最後は、出演者全員の歌で打ち出しになって、とても気持がいい舞台になってた。

 夜は、トレーニング。
 久々の荒くんの登場。
 基礎トレを、しみじみやって、それから、ハムレットの二回目。
 今日は、じっくり読むことができたと思う。
 早瀬くん、マッスー、小林くん、僕の4人で一つの独白をつくりあげていく。
 だんだん息が合ってきた。
 後半は、二人組になって、「尼寺へ行け」の場面。
 僕は、前回に続いて、喉の調子が悪くて、ハムレットの勢いのある台詞がしゃべれない。
 つらい。
 あらく立ってみようということになって、僕は早瀬くんとやりとりをする。
 台詞がしゃべれないということもあり、昔はあんなに練習してたハムレットがもうできない……というような気持になる。
 少なくとも、あのころ、イメージしてたハムレットを、今の僕はもう体現できないんだと。
 やや、ショック。

 帰りは、雨が上がって、例によって、おしゃべりしながらの駅までの道。
 駅近くにできた「はなまるうどん」。その向かいの定食屋も、また「讃岐うどんや」に改装中。うどんってそんなにニーズあるのかしら?


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