せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2003年09月18日(木) 歌舞伎座「河内山」「歌舞伎美の世界展」

 電車に乗って、向かいの窓に映る自分の顔を見ていたら、何だか、いろんなものが「下がって」るようで、これはいかんと思う。たしかに悲しいことがあったり、疲れてもいるんだけど、まっさきに顔からやつれてくるのはどういうわけだろう。
 ずいぶんのびてきたヒゲも下に向かうベクトルを強調している気がする。そろそろ剃ろうかな?
 歌舞伎座昼の部の「河内山」を思いつきで見に行くことにする。
 あまり好きな芝居じゃないんだけど、歌舞伎座にある活気がなんだかとても懐かしくなった。
 幕見席の一番前で見始めたのだけれど、案の定、前半、うとうとしてしまう。
 となりに座ったおじさんが、かなりプロっぽい大向こうさんで、「二代目!」とか「たっぷり!」とか見事な声をかけてて、時々びっくりして起きる。
 それでも、河内山の正体がばれてからのせりふはやっぱり気持がいい。吉右衛門も、かろがろとした芝居がいいかんじだ。最後の「馬鹿め!」もすっきりする。
 その足で、松屋銀座でやってる「歌舞伎美の世界展」を見に行くことに。ロビーにあった半額割引券にひかれて。
 実際に使われた衣装や小道具がたくさん展示されてる。
 衣桁にかけて裏からも見ることができたりする、見やすい展示のしかたで、細かいところまでじっくり見ることができた。
 この間「無間の鐘」を花道キワで見たときにも思ったんだけど、絹物の着物を芝居の衣装でずっと着るというのは大変なことだと思う。
 間近で見たら、けっこうくたびれてたもんね。
 それでも、ていねいに手入れをして、汚れがつかないように、役者も気をつかって、その果ての衣装が展示されてるんだ。
 会場で、玉三郎の道成寺のビデオがずっと流れてる。十年以上前の踊りが、とても懐かしい。
 衣装と一緒に会場には、おばさんもいっぱい。こちらもいろいろ観察して、参考になることが多かった。

 駅前の駐輪場に先週の土曜日(札幌に行く前)から止めっぱなしの自転車に、ようやく乗る。
 100円ショップで買った、圧縮空気(たぶん)を入れたら、軽々と走るようになった。やっぱり体力がなくなったんじゃなかったよね。
 最初は札幌の100円ショップで同じものを見つけて買ったんだけど、千歳空港であっけなく没収されたんだった。100円だからまあいいんだけど。ガスボンベの機内持ち込みができないことをすっかり忘れてる自分にあきれた。

 夜、薄井さんから電話をもらう。元気な声にほっとする。
 「gaku-GAY-kai2003」のこと、来年の二人の芝居のことなどなど、話すことができてうれしかった。来週の月曜のタックスノットには、かならず行こうと思う。

 「PRESENT」のフライヤーの裏面をとりあえずデザインしてみる。
 何もないところから「世界」をつくる台本書きと違って、あらかじめあるもののレイアウトをする地道な作業は、いい気晴らしになった。


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