せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2003年09月26日(金) 台本のこと

 明日は顔合わせ。
 台本を持っていく約束なので、ばりばり書く。
 が、これまで書いてきたものをやっぱり捨てることにする。
 今週のあたまに制作のタカイチ氏に、ルンルン進捗を伝えた、26ページまで書いたものを破棄。
 実は、一度はあきらめたプロットをあきらめきれずに行けるところまでいこうと書き進めていたんだった。
 HIVに感染した主人公と十年前の彼が同時に登場して、この二人(一人)が、この十年間という時間を自在に行き来しながら、日本のエイズについて検証(?)するというお話。
 この二人は僕と早瀬くんで演じようと思っていたのだが、十年でいくらなんでもそこまで変わっていいものかとか、芝居の結末が前に書いた話のラストとほぼ同じになってしまうこと、などを考えて、今の時点での上演には向かないと判断した。

 で、新しい台本を書き始めている。
 でも、書けない。
 この頃の悪いクセで、台本に煮詰まると、もとい、最初に書き出す前には、文字通り吐いてしまう。
 高円寺にいたときと違って、散歩で気を紛らすということもしづらいので、部屋にこもっているとどんどん追い詰まってくるのだと思う。
 産みの苦しみなのだろうと思うが、それにしても面倒な身体になってしまった。
 そのうちに、吐くことで何かから逃れているような気にさえなってきて、ますます気が滅入る。
 それでも、向き合う。
 パソコンの画面の向こう、キーボードを打つ僕の指の向こうに、きっと生き生きとした人物が待っていることを信じて。


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