せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2003年10月16日(木) ミュージカル「グリース」 「PRESENT」稽古

 ご招待いただいて、ミュージカル「グリース」を厚生年金ホールに見に行く。
 バディ編集部のジュンちゃんと一緒に。
 映画版「グリース」は、僕が中一の時に映画をロードショーで見た。主演のジョン・トラボルタが大好きになって、サントラのテープ(!)も買って、ずっと聞いてた。なので、お話もわかるし、ナンバーだって歌えちゃう。字幕なんて見なくても平気、と思ってた。
 それはまあ、半分当たってたんだけど、やっぱり映画と舞台は違うのね。今回の舞台は、映画化される前のオリジナルの舞台じゃなくて、映画版のナンバーを折り込んだ、ロンドン発の最新版。
 出てくる曲は全部知ってるんだけど、「出てき方」が微妙に違うのが新鮮。
 「グリース」というミュージカルは、全編が50年代ノスタルジーなお話だから、風俗や音楽が言ってみれば全部「ナツメロ」でできてる。
 大の大人が高校生を演じてる、その「無理無理」なかんじを楽しんじゃえ!というのが、醍醐味なんだと思う。演出もベタで、やるだけやった!ってかんじ。
 客席の盛り上がりは、なかなかで、ふと「どういう人たちなんだろう?」と思った。映画版が公開されたのが約25年前。それを若い頃見た人たちが、盛り上がってるってこと? 二重のノスタルジーだね。こないだTVで見た「デュラン・デュラン」の久し振りな来日コンサート@武道館の盛り上がり方を思い出した。
 きっと録音のテープね……と思ってたら、舞台奥の二階に生バンドが入ってて、とってもいいノリで演奏をしてる。それだけでもとってもすばらしい。
 俳優さんたちは、おなじみの曲を楽しそうに歌ってる。やや、演技がさらさらしてる気がしたのは、この「ノスタルジック」なナツメロミュージカルを演じる、一つのスタイルなんだろうね。欲を言えば、バラード系をもう少したっぷり聞かせてもらいたかったかもしれない。いい曲がいっぱいだ。
 カーテン・コールは、お約束できれいに盛り上がる。出演者はすっごい元気で、客席が盛り上がったせいもあるんだけど、このくらいの元気でずっとやっててくれたら、もっとよかったのになあとちょっと思った。
 こんな高校生いないよ!と思いながら(演じる方も「こんなんでいいでしょ」と開き直ってるかんじが楽しい)、とってもかわいらしいお話にほろっとする。やっぱり素敵なミュージカルでした。
 コマツさん、ありがとうございました。

 駅に向かう途中、二丁目の仲通りを通る。ココロカフェの向かいにサンクスができててびっくり! 話には聞いていたけど、やっぱり迫力だ。コンビニって、ほんとに町の風景を変えてしまうのね。

 早めに荻窪に着いて、マックでパソコンに向かう。
 隣の席の大学生男子二人が、部活の悩みについて真剣に話している。つい聞いてしまいそうになるのを我慢する。一人は三味線部(?)との掛け持ちをしているらしい。部長の引継についての話だった。高校生とおんなじ、みんな引退していくんだね。

 稽古は、ひさしぶり。さくっと終わる。もう一息というところなんだ。
 9時までの短い稽古。まっすーと小林くんが8時頃来たので、それまで4人であたふたと基礎トレをする。
 全員揃っての稽古では、今日もエチュードをしてもらう。
 早瀬くんを中心に、それぞれの立場での二人の場面。
 「昨日あったおもしろいこと」を話そうとする早瀬君に、話を聞かないマッスー、他の話をするマミー、話をきいてくれる小林くん、全部否定するいっこうちゃんと、それぞれの立場でからんでもらった。
 はじめは、小林君に、否定する人をしてもらったんだけど、結局、何も否定できないまま終わってしまう。
 続いてのいっこうちゃんは、早瀬君の第一声「おはようございます」に、「夜だよ」と答えるところからの全否定ぶりがすごかった。
 最後に全員一緒に登場しての場面をつくってもらう。やっぱりいっこうちゃんには、つっこむ役をやってもらった方がいいかもしれないなと、ちょっと考える。
 帰りの電車の中では、消えゆく書店についての話をしみじみ。

 厚生年金の客席で、フライングステージのお客様に声をかけられてびっくりした。いいものをつくらないとね。

 初日まで、あと34日!


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