せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2004年09月02日(木) 桃と猫

 夕方からの富士見ヶ丘小学校の演劇授業のうち合わせ、仕事が終わらず行けなくなってしまった。授業は来週の火曜日、朝からだそう。

 久し振りに長袖のシャツを着た。冷房の効いた部屋や電車はそろそろつらい。何年か前に、一夏ずっと長袖で通したことを思い出す。日に焼けないようにというたくらみだったと思う。その年一年で終わってしまった企画だ。ていうか、さっきまですっかり忘れていた。
 暑い日に暑さをしのぐため、どんどん薄着になるか、それとも重ね着をしていくかという性格判断があった。いずれにしろ、性格が変わってきたってことに間違いはない。
 長袖を着て、汗をかくかと思ったら、涼しい風が袖の中に入って、かえって涼しい。
 肌で直に感じる日射しとはまた違う季節の感じ方だ。
 
 夜、母親に桃を食べないかと言われる。
 昨日、「桃はもうおしまいだねえ」という話をしたばかりだ。
 近くの八百屋さんに、毎年買っているその桃が出ていたのだそうだ。
 3個は近くの妹夫婦のところへ、うちへは2個、そして、お盆に遊びに来れなかった弟夫婦のところに1ダースの箱入りを送ったという。
 母自慢のその桃はたしかにとってもおいしかった。
 種のまわりまでがやわらかく甘く、ちっとも酸っぱくない。
 明日、また2個買ってこようと母は言っている。

 母はこの頃、猫と散歩をしている。
 ひもをつけているわけでもないのに、ちゃんとついていってるらしい。
 最近つけた鈴が「ちゃりんちゃりん」と鳴って、しばらくついてこないなと思っても、すぐに追いついてくるのよと母はうれしそうだ。
 いつもは家のあるブロックをひとまわりのところ、今日は二回りしてきたという。
 玄関先に来ると、猫はごろんと横になって、家に連れて行けと催促する。
 母の留守に僕が帰ってきたとき、外に閉め出されていると、彼はそんなふうにごろりと転がってみせる。横柄なヤツだと思いながら抱きかかえると、のさっとした重さが手に嬉しい。
 さっき、帰ってきた猫を抱き上げたら、近くの畑の脇に植えられたラベンダーのにおいがした。


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