せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2004年12月02日(木) |
青年座「桜姫東文章」@OFF・OFFシアター |
朝、ジオラマ・マンボ・ガールズのベリンダ・ツルモトから、今年は参加できないかもしれない旨のメールが届く。ダンスの先生のお仕事が忙しくなってしまったのだそう。どうしよう! 企画もろとも再検討だ。 昼間、「毛皮のマリー」に早瀬くんに出演してもらえるようお願いする。出演者のスケジュールの調整で、当初のプロットを大幅に変更する。 アルピーナさんからスケジュールが届く。予定よりも早く稽古入りしてもらえそうだとのこと。よかった。
夜、下北沢に青年座「桜姫東文章」を見に行く。来年ご一緒することになった原口優子さんが桜姫を演じている。一倉梨紗ちゃんと作・演出の松本たけひろくんと一緒。 大南北の「桜姫東文章」の全編をきっちりと見せてくれる台本。 え、こんな役あったっけ?なところまでを一人一役で、全て女優さんたちが演じていく。 序幕の江ノ島稚児ヶ淵の場面は人形劇。黒衣が登場して、遊び心たくさんな芝居づくり。 それから本編が始まってからも次から次へと登場する役々が、もうやりたい放題なかんじでとっても楽しい。 女優が演じる男役がどんどこ出てくるんだけど、ある人は宝塚風だったり、ある人は女剣劇風だったり。衣装もそれぞれでとっても楽しい。花組芝居ほどの確信犯ぶりとやりすぎ感はなく、ちょうどいいやりたい放題感。ひげの描き方、もみあげの描き方にとってもこだわりが感じられる最前列での観劇。釣鐘権助はどこかNYのハーレムのにおいがした。 そのまん中で桜姫を演ずる原口さんは、ロリータから始まり、最後はマダム風へと、見事な変貌をとげる。台詞はどれも、南北の文体のまま。歌舞伎のやりとりとは全然違う、現代風な意識のやりとりが古風な台詞にのっているのが、とってもおもしろい。歌舞伎の役々はどこかで、生理的な部分を「なし」にしないと成り立たないものじゃないかと思うのだけれど、原口さんの桜姫は、女の子が女になっていく生理をきっちりふまえてそこにいる。女の生身の体をもった桜姫というのを初めて見たような気がした。 局長浦を演じる今井和子さんがすばらしい。南北の台詞をしゃべりながら、こんなに捨ててしまっていいのかいというくらい、さらさらと流していく。歌舞伎座では絶対にできない台詞術だ。 カーテンコールは、出番の終わった女優さんたちは、すっかり素に戻っての登場。ようやく、あ、あの人だったんだとわかるが、逆に、何をやっていたのかがわからなくなったりもする。 終演後、べったこで軽く飲む。松本くんと初めてのおしゃべり。彼は2002年のパレードを歩いてくれたんだそう。そんな話しもいろいろ聞く。 原口さん、一倉さんとも初飲み。いいお酒を飲んで、楽しく帰ってくる。
UZUくんからフライヤーデザインが届いた。 夜遅くに申し訳ないと思いながら、出演者等の修正等もろもろのお願いをする。
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