せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2008年12月17日(水) 富士見丘小学校演劇授業

 先週に続いてのオーディション。
 劇中に登場する「火星人」の希望者がいなかったので、今日は「火星人」の場面をみんなにやってみてもらう。
 卒業公演で「火星人」役というのは、みんなやっぱり微妙だったのだろう。でも、とってもいい役なんだけど。
 今週の月曜日に、クラス事で火星人の役をみんなでやってみるという授業をやってくれたそうだ。
 火星人らしいしゃべり方を工夫した人を見たり、また自分でも演じてみるうちに、とてもいい役だとみんな再認識したようだ。
 これは別に無理矢理なことではなくて、ちゃんと読んで演じてみれば、どの役もみんな演じがいのあるいい役だということに気づいてもらえたのだと思う。
 今日は授業の初めに、まず声を出すウォームアップ。
 雨の日の三時間目は20分休みも外に出られないから、ストレッチをしながら、吐く息をいろいろな音にしてみる。
 つづいて、火星人のオーディション。全員が演じてみているので、今日は希望者プラス、こちらからお願いしたいという人たちを馬場先生に指名してもらう。
 みんなそれぞれの工夫がおもしろい。いかにもな火星人キャラ、なぜか外国人のようなしゃべり方になっている人、抑揚のあるなし、声の高低、自分はこうやるという意欲がさまざま感じられた。
 10分ほど休憩をもらって、先生方と最終のキャスティングについての打ち合わせ。
 その後、発表。ドキドキするのは、子供たちだけじゃなく、ぼくらも一緒だ。
 それから、決まったばかりのキャストで、全編を読んでみる。
 大きな輪になって腰を下ろして。
 約50分。なかなかの長丁場をみんないい集中で乗り切ったと思う。
 自分の出番をうっかり忘れてしまったりしたときの他の子「どうしたの?」という無言の圧力orチェックが感じられる。みんなでつくってるんだというかんじが、自然に生まれているのだと思う。
 最後にフィードバック。大人が感想を言う前に、子供たちから感想と意見を言ってもらう。
 さまざまな感想、そして、こういうふうにがんばりたいという意見がいっぱい。自分のせりふをおぼえるだけじゃなく、自分の前の人のせりふもちゃんとおぼえないととか、役の気持ちを考えるとか、その他いろいろの大人があとで言いそうなことが、子供たちの中から生まれてくる。
 これをやってくださいと言われてやるより、まず自分で何をしなくてはいけないか考えて、そのことをがんばることの方が、ずっといいはずだ。とてもうれしい。
 今日で年内の授業はおしまい。次は1月になってからだ。僕からは、誰に対してしゃべっているセリフなのかを考えておいてくださいという宿題を出しておく。
 さあ、お正月休みの間に、6年生たちはどんながんばりを見せてくれるだろう。楽しみだ。


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