せきねしんいちの観劇&稽古日記
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浅草公会堂へ春謡妙左京こと石関準くんが出演の舞踊会「春謡会」を見に行く。 ぜひ見たいと思っていた春謡妙左さんの「屋敷娘」は仕事の都合で間に合わず。終演後、楽屋口で艶やかな娘姿にご挨拶する。 遠藤くんと合流して、妙左京さんの出し物「幻お七」を見る。 八百屋お七のお話を、羽子板を見ながらお七と吉三の物語の思いをはせる娘の夢物語として描いた、清元の踊り。 初めは、舞台にこたつがある娘姿、そこに吉三が登場。後半は、櫓のお七の場面そのままに、雪景色の中の恋に狂うお七の姿に。 満員のお客様に愛されているなあというのがわかる、しっとりしたいい時間。 いいものを見せてもらった。 終演後、楽屋口で挨拶。三枝嬢、もっちゃん、宇田くん、久しぶりの岩瀬あき子ちゃんと一緒に。 その後、ゲスト出演の中村京妙さんによる「おりき」。樋口一葉の「にごりえ」のおりきの踊り。 新開地の銘酒屋の女の自堕落なかんじ、ふと別れた男を思うしんとした時間、曲に乗った息と体がすばらしかった。役者の踊りとはこういうものなんだと感動する。 その後、フィナーレまでを拝見して、失礼する。 三枝嬢のリクエストで、浅草で古くからある「蛸最中」を買いにもっちゃんと三人で行く。田原町の交差点の古びた店。僕はばら売りの蛸最中と栗最中を一つずつ。かばんに入れようとしたら、「壊れるから気をつけて」と、店のおばあちゃんに言われ、ビニール袋で大事に持って帰ることにする。 その後、劇団劇作家の合評会に。今回も、おもしろい作品が登場。芝居について話すことは、自分の芝居との向き合い方を考えさせられるいい機会。稽古真っ最中の今はなおさら。 終了後、軽く飲みに行くというみんなと別れて帰ってくる。僕は僕の芝居と向き合うために。 お茶と一緒に食べた最中は、ほどよい甘さと、餡の湿気に負けないぱりっとした皮がとてもおいしかった。 浅草という街は、ある意味地元なのだけれど、この頃は、ふと立ち寄ってしまう身近な街だ。 クリスマスの飾り付けはほとんどなく、町中がもうお正月仕様。 ここは一年中がお正月のような街なのかもしれないなあと思った。
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