せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2009年02月22日(日) 青年劇場「博士の愛した数式」

 劇団劇作家の同人である福山啓子さんの台本、演出による「博士の愛した数式」を観にシアターサンモールへ。まだ熱っぽいのだけれど、気合いを入れてシャワーを浴びて出かける。
 原作は、小川洋子の同名小説で、映画化もされてる。
 事故によって90分しか記憶が残らないようになってしまった数学の元教授と、シングルマザーの家政婦とその息子のお話。
 開演前、みっちゃんこと、相楽満子さんに会い、ハグ。
 劇中に登場する数についてのエピソードが、とても美しい。
 素数、ルート、完全数、友愛数などなど、目の前に繰り広げられるのは、人と人とのドラマなのだけれど、そこに数式の世界が加わっても、とってつけたようなかんじがしないのがいい。かえって抽象的なイメージが広がって、世界に不思議な奥行きが生まれてくる。
 マイケル・フレインの「コペンハーゲン」は、量子物理学の用語、たとえば「不確定性原理」というものが劇中、大きな意味をもって登場するのだけれど、それと同じようなと言ったらいいだろうか。
 数学や物理学というのは、ものすごく理系の現実的なものだという印象があるのに、実はものすごく文学的、芸術的なものなんだと気がつかされる、そんなかんじ。
 ラストシーン、登場人物たちが登場してお茶を飲んでいる、それだけの場面で泣けてくる。言葉にならないものが、きっとたくさん胸にひびいたんだと思う。
 終演後、福山さん、福島さんにご挨拶。
 帰りにヨドバシカメラで買い物をして帰宅する。
 熱はようやく平熱に。鼻水が出てしかたないのは、花粉症から来る風邪だからかもしれない。
 夜、富士見丘小の明日の授業のためのレジュメを準備する。
 限られた授業時間を有効に使いたい。子どもたちと一緒に、ああでもないこうでもないと作っていく時間が、今年はとても少ない。ある意味、とても能率的に進んでいるのだけれど、いろいろやってみるのが、芝居づくりのおもしろさだと言えないこともないので、あんまり能率的にやってしまうのもどうだろうかと考える。
 でも、大人達が右往左往する時間は無駄なことは間違いない。
 明日から金曜の本番まで、ラストスパート、がんばろう。


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