*未完成のお城*

2002年11月14日(木)  タブー。

終わりにしたいと思う瞬間がある。
あたしの時を止めてしまえば良いと。

だけどそんな度胸、あるはずもなくて。

でも、考えないんだよ。

あたしが居なくなった後、君がどう思うのか、とか。
君が泣くかもしれない、とか。

考えないんだ。

酷いヤツだよね。
“親友”なんて、偉そうにその立場を主張したりするくせに。

だって疲れるんだ。

単調な毎日に。
君の居ないこの日々に。
吐き出せない本音に。

あたしが居ても居なくても、きっと何も変わらない。
変わらないでしょう?

あたしなんて要らないでしょう?
要らないって言ってよ。

あたしが今此処にいるのはただの惰性でしかない。

あたしが逃げ出したいほど強くあたしを必要としてくれる誰かなんているの?
逃げられないほど強く、縛り付けてくれる誰かなんているの?

***


どんなに排他的になっていても1日の最後に思うことはただひとつ。

“今日もまだこの心臓は動いている。”

思い止まったわけじゃない。
実行出来なかっただけ。
弱い?…それとも強いの?

どうでもいい。

急に“終わり”がきたら後悔するよ。
其れは本当だけど、でもその終わりを願っているのかもしれない。

死後の世界は望んでいない。
跡形もなく消えていけばいい。

自分がその日その日を精一杯生きているとは思わない。
分け与えられるものならば幾らでも分けてあげる。
あたしより“生”を望む人はたくさんいるでしょう?

遺書じみている?
違うでしょ?
我儘な本音がほんの少し顔を覗かせただけだよ。

心のタブーを犯す。
身体のタブーはまだ守られたまま。

きっかけがあれば何処までも堕ちて行けるような気がする。

何処まで深い、その深淵へ。

***

いざ“その時(終焉)”が来たら、
あたしは“生”へ執着するのだろうか。
“まだ生きたい”と願うのだろうか。

自分のことなのに分からない。

我儘で強欲で天邪鬼。

…だから、あたしはまだ生きているのかもしれない。


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