*未完成のお城*

2002年12月14日(土)  我儘な願い。

目も開けられないほどの痛みの中、
「このまま死にたくないなぁ」と思った。
何も考えたくないほどの痛みの中で、思ったことはそれだけ。

痛みに飲まれて死にたくない。

眠るように逝きたい。

今となれば、我儘な願いなのだろうと思う。
自ら死を選択しておきながら、痛みには耐えられないということは。
命を断つ代償を、請けたくないのだということは。

君の声を聴けて良かった。
痛みの中から抜け出せて良かった。
鎮痛剤が効いたのもあるけれど、君の声もあたしにとっては立派な特効薬だ。

逢いたくて、逢いたくて、逢いたくて、
叫び出しそうになるよ。
君に逢いたいよ。

それもまた、我儘な願いのひとつ。


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