目も開けられないほどの痛みの中、 「このまま死にたくないなぁ」と思った。 何も考えたくないほどの痛みの中で、思ったことはそれだけ。
痛みに飲まれて死にたくない。
眠るように逝きたい。
今となれば、我儘な願いなのだろうと思う。 自ら死を選択しておきながら、痛みには耐えられないということは。 命を断つ代償を、請けたくないのだということは。
君の声を聴けて良かった。 痛みの中から抜け出せて良かった。 鎮痛剤が効いたのもあるけれど、君の声もあたしにとっては立派な特効薬だ。
逢いたくて、逢いたくて、逢いたくて、 叫び出しそうになるよ。 君に逢いたいよ。
それもまた、我儘な願いのひとつ。
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